Sym, 6, : Currentzis / Musicaeterna
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missy | 千葉県 | 不明 | 18/December/2018
前作「悲愴」をこき下ろしたものの、この「悲劇的」は非常に好きな作品で、わずかな期待をかけて購入した。前作ほどのあざとさは感じられないので、それに比べればまだ印象は良い。オケも良く演奏している(良く弾けているアピールがしやすいところをバランス操作している、というのは意地の悪い見方すぎるか)。しかし、この作品の魅力に深く切り込んだ演奏とは言いがたい。 まず、音色のアヤがこの演奏にはあまりない。弦は良いほうだが、木管は割と直線的で、場所ごとの表情を吹き分けられているようには思えないし、金管は安定感はあるがよくよく聞けば凡庸な音色。 また、中でもアゴーギグのつけ方が気になる。後期ロマン派の最たる作品、譜面に書いていないテンポ操作をするなというつもりは全くない。ただこの演奏、アゴーギグそれ自体が目的のようになってしまっていて、ただタイムの伸縮があるだけで、そこには音楽的なエネルギーの推移がいまいち見られない。そのため、歌わせ方なんかも間延びして、チープに聴こえてしまう。 あと、マーラーの管弦楽法としてはもっと管楽器は浮きたっても良いはずなのだが、いまいち不明瞭な箇所が多い。弦楽器のタテも、あえてなのかぼやかしている箇所があるように思う(特に両端楽章)が、この曲の場合は逆効果であろう。リズムの処理の甘さ、ソリッドな厳格さに欠けるのも気になる。意外とあちこち滑っていたりとか、音符の長さの不統一とかがあって、和音及び和声の鮮やかな運び、緊張感が伝わってこないのだ。 バランスとかは面白いと思う個所もないわけではなかったが、やはりそこも理想的に操作できるという点も含めての「録音芸術」を目指したものと思える。不思議とBGMのように聴けてしまうマーラーといった印象だ。このレビューを書くために再聴しているが、もう聴かないかな……。 この曲もライヴが一番、なんて言い方をしては元も子もないのだが、少しでも本番のような緊張感が感じられる演奏を求める方は、少し技術的に足りなくてもライブ録音を買うほうが良いかと思う。スタジオ録音でも、この盤よりも印象の良いものはまだまだあるけれど……。 ちなみに、前のレビュアーの方がおっしゃっている、この作品の三大名盤ってなんだ?一般に広く知られた説ではないと思うが、自分の好みをあたかも有名で多くの支持を得ているかのように断言する姿勢はちょっといただけないかな。惑わされる方がかわいそう。個人の好みでは、とか、評論家の〇〇が言うところでは、と言えば良かろう。8 people agree with this review
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