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Debussy (1862-1918)

SACD Pelleas Et Melisande: Rattle / Lso Kozena Gerhaher Finley B.fink

Pelleas Et Melisande: Rattle / Lso Kozena Gerhaher Finley B.fink

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    風信子  |  茨城県  |  不明  |  05/April/2018

    オペラ嫌いであれば ドビュッシー唯一の完成オペラとて縁遠きもの いやいやそれ以前にドビュッシーの音楽そのものが掴み所がなく苦手なのだ だからこの一巻もずっと片隅に積んであった そもそも何でお前の元にあるのだと突っ込まれそうだが 実は何度か聴き始めたものの 私には道程が長くて迷子になったり 道端で居眠りしてしまったりと大団円へ辿り着かなかった 性懲りも無くまた迷宮の庭に入ってしまった ラヴェルは二つのオペラも含めて道に迷うことはないのに ドビュッシーは鬼門なのだ 言葉が分からないことが一番の引っ掛かりなのだろうと邦訳付きの映像作品も観てみた 何とか最後までたどり着いたがストンと落ちない いつ始まって何が終わったのか釈然としない これはドラマではなく音楽のこと 待てよとふと思う そうかドビュッシーの音楽は筋書きのある演劇でも造形や絵画の美術でも置き換えることのできない 音楽から出て音楽へ還っていく象徴物なのだ 来し方でも行く末でもない 今この瞬間の美 質量も容積もない測れない美 それが音楽なのだと語っている わたしは象徴詩としてこれを聴いた 

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  18/November/2017

    今のラトルに最もふさわしいオペラとして、『ペレアスとメリザンド』を挙げる人は少なくないだろう。もっともラトルのドビュッシー演奏のスタンスは昔から変わっておらず、印象派風の曖昧な雰囲気を排して、響きそのものをきっちりと磨き上げて行こうというやり方だ。ただ、その精緻な音の積み重ねが官能的な湿りけを帯び、雄弁にドラマを語り始めるあたりが(『トリスタンとイゾルデ』でも大いに驚かされたが)近年のラトルの素晴らしさ。基本テンポはやや遅めだが、緩急の起伏は大きく、弱音の扱いはすこぶるデリケートだ。ラトルは全く同じ歌手陣でこの録音の直前、2015年暮れにベルリンでセミ・ステージ形式の演奏をやっている。ソリストのうまさと自発性、尖鋭さではBPOの方が上だが、シンフォニックで腰の重いBPOの響きに対して、LSOの「軽み」もまた悪くない。 フランス人の誰もいない歌手陣もなかなか強力。コジェナーのメリザンドはやや作り物めいた印象だが、人工的であることが特にマイナスになっていない。彼女の歌で聴くと、メリザンドは無垢な少女ではなく、最初から悪意をもって男をたらしこみ、破滅させる魔女のようにも聴こえるが、それも悪くない解釈。ともかく、これで彼女はカルメンとメリザンドを両方録音するという珍しい記録を作ったわけだ(ユーイングやフォン・オッターも両方をレパートリーにしていたけれど)。ゲルハーエルのペレアスはフランス語もうまく、模範的な出来。ただ一人、疑問を感じるのはフィンリーのゴローの役作り。熱演ではあるし、ラトルの音作りの方向とも一致しているのではあるが、いささか生々し過ぎ、いわばヴェリズモであり過ぎるように感じられる。特に第5幕での過剰な「泣き落とし」は終幕の静謐な雰囲気を損なっているように思うのだが。

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