Rachmaninov, Sergei (1873-1943)
Preludes : Nikolai Lugansky(P)
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ココパナ | 北海道 | 不明 | 07/July/2021
ルガンスキーは、op.3-2とop.23の10曲については、2000年に録音していた。当盤は、それらの作品も含めて、「24の前奏曲」という体裁で、2017年に録音しなおした形のもの。最初の録音でも、すでに技術と表現のバランスが細部まで徹底された、美しさと迫力の双方を突き詰めた壮名演だっただけに、今作が、それを明らかに上回るとまで言えないのだが、同じように見事な内容。再録音された楽曲たちの解釈自体は、私には先の録音から変わったと思えるところはないのだけれど、全体により洗練度が高まったようにも思える。そして、このピアニスト特有の「落ち着き」も、さらに腰を落したというか、いよいよしっかりとアンカーが撃ち込まれた感がある。ダイナミックレンジの広さと、明瞭さを併せ持った響きは、以前からのもの。当盤の登場によって、ルガンスキーの弾く「13の前奏曲 op.32」を聴けるようになったことが嬉しい。いずれの楽曲も、ルガンスキーの手にかかることで、前もって成功が保証されていたかのような名演で、ことに第13番、第14番、第15番のシンフォニックで雄大な響きはこのアルバム最大の聴きどころと感じる。これらの楽曲は、曲集中の人気曲というわけではないが、ルガンスキーの鋭い対比の効いたピアニズムによって、その相貌は陰陽を克明にし、音の階層は伽藍のような堅牢さを築き上げる。それらが瞬時に達成される際の手際が、力学的にもきわめてスムーズで、畳みかける様も自然だ。沈着と白熱の得難い同居が感じられる。ただし、この演奏には、ラフマニノフの音楽にある一種の狂騒的なものが、鎮められてしまっているように感じる部分もある。前述の「落ち着き」の支配力が強いためで、曲によっては、それが拘束的なものとして作用しているところがある。そんな時、私は慣れ親しんだ愛聴盤、アシュケナージの、薫り豊かな名演を思い出す。とはいえ、ルガンスキーの演奏が示す完全性は、比類ない精度を誇っていると言っていいだろう。ラフマニノフの前奏曲集が、凛とした佇まいで、端正に響くその様は、感動的なものである。2 people agree with this review
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