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Berlioz (1803-1869)

SACD Berlioz Symphonie Fantastique, Liszt : Toshiyuki Kamioka / New Japan Philharmonic (Hybrid)

Berlioz Symphonie Fantastique, Liszt : Toshiyuki Kamioka / New Japan Philharmonic (Hybrid)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  26/January/2018

    昨年9月のマーラー5番の超絶的名演(直後に同じ曲をやったキリル・ペトレンコ/バイエルン国立管が完全に霞んでしまった)以下、音楽監督二期目に入ってプログラミング、演奏ともますます面白くトリフォニーホール通いがやめられない上岡/新日フィルだが、これは一期目最後のリクエスト・コンサートのライヴ。一聴して上岡と分かる個性的な演奏だ。まず第1楽章序奏の繊細な弦の響きからして典型的な上岡トーン。ハーディング/スウェーデン放送響のようにモダン・オケでピリオド・スタイルを実現した演奏とは違うが、やはりHIPの影響を受けていると思う。主部はクレッシェンドとアッチェレランドが連動しがちなこの指揮者らしく盛大に盛り上がるが、音楽が減衰してゆく部分も弾き飛ばさず、丁寧に作られている(なお第1、第4楽章ともにリピートなし)。第2楽章は故意に引っかかるようなフレージングとリアルなポルタメントでこの舞踏会の非現実性を演出。最後の部分でのフルートの強調も面白い。第3楽章は例のコーラングレと舞台外のオーボエの呼び交わし以外にも、随所で遠近感の強調があるのが印象的。第4楽章ではトランペットの行進曲主題をテヌートで吹かせ、裏のトロンボーンを強奏させるので、すこぶるグロテスク。最後のファンファーレも遠くから聞こえてくるように(いわば、夢の中に現実の音が侵入してくるように)演出されている。終楽章でも奔放な魔女のロンドとテヌート気味のディエス・イレ主題のコントラストが鮮烈。両者の同時奏楽に向けて盛り上がってゆく部分の極端なピアニッシモ(とスル・ポンティチェロ)にホルンのゲシュトップト奏法を加えたケレン味も上岡らしい。首都圏4強(N響/読響/都響/東響)に比べるとマッスとしての威力ではイマイチの新日フィルだが、最後の猛烈な加速にトロンボーンがついてゆけないのを除けば、大健闘。

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