Lucia Di Lammermoor: K.mitchell D.oren / Royal Opera House Damrau Castronovo Tezier
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 06/March/2018
オペラの上演史には、たとえばクプファー演出『さまよえるオランダ人』のように、そのオペラに対する考え方を百八十度変えてしまうような画期的なプロダクションが存在しうる。『ルチア』においてこれは50年代のカラス主演の舞台(残念ながら映像として見ることはできない)と並ぶ革命的、歴史的な上演と言えるだろう。そもそもこのオペラには舞台上で描かれない出来事が多い。ルチアはアルトゥーロをどうやって殺したのか(武装していない寝室内の出来事とはいえ、女一人では難しかろう)。ルチアはどのようにして死んだのか(発狂が直ちに死に結びつくわけではない)。これらは『トロヴァトーレ』のように台本自体が破綻しているわけではなく、すべてを見せてしまうのははしたないという19世紀的な慎みの産物なのだろうが、現代の観客はもうそれでは満足するまい。というわけで、あまりに露骨すぎて正視できないという批判もあろうが、分割舞台を用いてすべてをありのままに見せてしまおうというのがこの演出。ルチアとエドガルドのセックス・シーン(二重唱の場面)、それに続く妊娠の示唆だけでも相当に衝撃的だが、男たちの決闘の二重唱の間に隣の舞台ではルチアとアリーサがアルトゥーロを殺す様子を克明に見せる。ルチアは夫を殺しても平然としており、むしろ誇らしげだが(フェミニストの女性演出家ならでは)、その直後に流産に襲われ、エドガルドとの絆を失って、かの「狂乱の場」(グラスハーモニカ使用)につながる。ルチアは最終場面にも登場しており、浴室で自死した彼女の後を追って、エドガルドも息絶える。 オーレンの練達の指揮に乗って展開する主役三人、ダムラウ、カストロノーヴォ、テジエの演唱は圧倒的。特にダムラウは歌だけでも驚異的な高水準だが、演技の迫真力たるや凄まじい。いつも通りふっくらめの見た目だが、かなり年齢も高め、かつ妊娠中という演出の設定にぴったり。ちなみに、時代自体も19世紀、ヴィクトリア朝に移されている。3 people agree with this review
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