Sym.5: Maazel / Vpo
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slave | 東京都 | 不明 | 19/February/2023
ここには、マゼールはいません。 感動よ、さようなら。 この演奏は素晴らしい、特筆すべき演奏だ。 多くの演奏家に、聴衆は「その人ならではの個性的な解釈」というようなものを期待し、ボルテージの上がる演奏や、磨き抜かれた演奏や、爆音の演奏、細部を強調したり、緩急自在の演奏などを求める。 そして、マゼールの後半生の演奏は、「マゼールはどうしてしまったのか?個性的で隈取りの深い、彼の演奏解釈は蒸発してなくなってしまっているではないか」というような戸惑いと共に語られることが多い。 多くの聴衆には、彼のごく若い頃の演奏のイメージが強く、その後の彼の変貌が上手く受け止められないのである。 それは、通常の演奏では、どうやっても、指揮者の存在を感じることが避けられない。なのに、マゼールの演奏だけは、彼の主張や解釈の存在が希薄である。透明なのである。 ブーレーズの場合と比べれば、ブーレーズは必ず黒板の前に立ち、スコアのあれこれの数学的、楽理的な興味深い諸点について、教授よろしく指摘をしてくれる。 マゼールは?マゼールは一体どこにいるのか?という、マゼールの後半生は、彼が姿を消し、聴衆と音楽、あるいは聴衆とオーケストラしか存在しないという演奏を確立したことが、実は唯一無二の彼にしかできない功績だったのではないだろうか。 この演奏はあたかも個々の演奏家が自由に演奏しているかのようだ。指揮者の指示で演奏する場合、どうしても、指揮者に引きずり回されるかのような微妙なタイミングのずれがあちこちに生じるものだが、この演奏では、「これをこのタイミングで謳わせることを、指揮者が指示してできるものなのだろうか?」というような見事な統率、統率を感じさせない統率!を見せる。 まさに、的もない弓もない、人馬一体の演奏とでもいうべきだろうか。ようやく、私は、長年のマゼールについての疑問を解くことができるようになったように思う。彼独特の解釈は勿論、注意すれば至るところに発見できるのであるが、そうと感じさせない点が、彼の大家であるところだろう。 マゼールはここにはいない。これみよがしの感動も存在しない。0 people agree with this review
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nk | 東京都 | 不明 | 05/March/2019
何よりも、ウィーン・フィルの「歌」が素晴らしいです。特に弦楽器の「歌」はこのオケでしか表現できないのではないでしょうか。繊細であるとか、音が綺麗であるとかではなく、ウィーンの人たちの心の中に宿っている「歌(日本で言えば、地方の民謡にあたるかな…)」を上手く引き出して演奏させているマゼールの牽引力と、音楽の健全な解釈の賜物ですね。 名盤として私のコレクションに入れておきます。0 people agree with this review
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Erdinger | 神奈川県 | 不明 | 17/January/2012
今やこの曲はすっかりポピュラーになって、一体何種類のCDが出ているのか見当もつかないが、マゼール指揮ヴィーン・フィルの演奏は特筆すべき出来映えであると思う。マーラーが生きた19世紀後半〜20世紀初頭の中欧、ハプスブルク帝国末期の雰囲気を感じさせてくれるからだ。マーラーの音楽は、分離派、ユーゲントシュティール等、当時の芸術様式と分かちがたく結びついており、時代の空気を共有している。マゼールとヴィーン・フィルの演奏は、そのあたりを聴き手に如実に実感させる。マーラーのいくつかの作品の初版で装丁に使われた分離派やユーゲントシュティール様式デザインの音楽版と言ったら語弊があるが、表現がきめ細かく、色彩豊かで洗練されて、適度にモダンだが伝統的な手法も捨てていない。 かつては、練達の管弦楽法を駆使した轟然たる音響ダイナミックスにまず魅力を感じたこともあったが、現在では、総奏部でなく、楽器編成の薄い、いくつかのソロ楽器が室内楽風に音楽を紡いでいく部分こそが聴き所、核心部分であると感じている。楽器が次々に交代しつつ旋律を奏でていく所など、新ヴィーン楽派、特にヴェーベルンの音色旋律に繋がる道が指し示されている。そして、そうした部分におけるヴィーン・フィルの奏者たちの腕前の見事なこと! フルートやクラリネット、ヴァイオリン・ソロ等のちょっと気取った艶やかな一節が、飾りのたくさんついたフェミニンなロングドレスにつばの広い帽子を被り、手には小振りな日傘を携え、小型犬を連れた女性たちが行き交う・・・・といった当時の光景を彷彿とさせ、聴き手をあの時代へといざなう。また、遅めのスケルツォ楽章の3拍子がヴィーン風に訛ってスウィングすると、忽ち舞踏会ムードが醸し出され、マーラーの前半生がヨハン&ヨゼフ・シュトラウスと重なっていたことに気づかされる。ヴィーン・フィルは他の指揮者ともマーラーを演奏し、録音しているが、何故かこういう雰囲気は出てこない。 マゼールも相手がヴィーン・フィルだからこういうアプローチが可能になったのだろう。他のオケならこういう演奏は不可能だったのではないか。 マゼールはマーラーと同じくユダヤ系だったはずだが、血筋の共感から来る思い入れを込めた表現や、濃厚な情念の噴出を期待すると肩すかしを食うかもしれない。しかし、美しい響きのそこここに、第1次世界大戦が勃発して現実のものとなるカタストロフィの予感 が秘められていることを、この演奏は忘れてはいない。 残念ながら、CDの音質に関してはいささか問題がある。録音された時期はデジタル録音の黎明期。録音機器はPCM1610systemと記されているが、この演奏が最初に世に出た時はCDの登場前、第6交響曲とセットで3枚組のLP(とカセットテープ)だったのだ。だから、というわけではあるまいが、特に第5はLP(オランダ製、フィリップスのプレス?)の方が音色のグラデーションが豊富で、上記の演奏の特色は実はLPを聴いてのものだ。CDの方は写真に例えると、明部は白く飛び、暗部は黒く潰れた、暖かみのない硬調なプリントのよう。ヴァイオリンやトランペットの高域は硬く冷ややかで聴き疲れする。だからCDを購入はしたものの、聴くのはもっぱらLPのみという有様。その後、CDは何度か意匠を変えて発売されたが、マスタリングの更新は行われていない様子。メーカーには、新たなマスタリングによる再発売を是非要望したい。2 people agree with this review
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フランツ | 宮崎県 | 不明 | 18/September/2010
マゼルのマーラーを分析的で感情も熱狂もない、と書く人が多いけど、この5番はぜったいそんなことはない。細かいディテールにこだわっているのはわかりますが、特徴として、短調の和音の時にテンポを落として、響を深くする手法が使われています。特に1楽章にそれが顕著で、1楽章の最後の方にあるユダヤ(音楽)的な和音をこれでもかとテンポを落として(テンポを無くしてと言っていいかも)響かせているところは聴いていて、唸ってしまいました。マゼルの曲への深い共感に満ちた分析の勝利と確信しました。とにかく、こんなマーラーは他にない!ということです。聴後、深い感動を覚えました。2 people agree with this review
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音と光 | 東京都 | 不明 | 25/July/2010
評価が四季折々変わってしまうのが申し訳ない気もしますが、夏場はクールで見通しのよいマゼールのマーラーが聞きやすいです。こんなメロディーが隠れていたのかと発見することもありますし、5番などは「サロン・ミュージック」(たしかクレンペラー評)のような聞き方ができる点も良いです。帝国は瓦解し、神は死んだとされ、絶頂期とはいっても自身ウィーン・フィルを辞任せざるを得なかった当時、「闘争→勝利」をパロディ化し、コラージュ技法を取り入れて作曲されたこの曲にふさわしいのは実は、マゼール盤で聞ける漂うような空虚感や「根無し草」感なのではという気もしてきます。1 people agree with this review
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コーキロマンハ | 神戸市 | 不明 | 11/December/2007
マゼールの演奏はどの作曲家のものでもコンセプトが一緒というか作曲家のらしさというものが出ないような気がします。シベリウスみたいに結果的にマッチすると良い演奏となるのですが・・・。従いまして本演奏もまったくマーラーらしさがなく無味乾燥的!!!聴いていてつまらない。ウィーンフィルは良い響きなのにね。1 people agree with this review
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無名庵 | 東京 | 不明 | 08/May/2007
マゼールのマーラーの中でも、とりわけ優れた演奏がこの5番と9番ではないでしょうか。こんなに一貫性のある音楽としてマーラーを聴くことができるのは、ほかにちょっと思い当たらない。妙に煽ったり感傷的だったり、そんなマーラーはもう懲りごりな人にぜひとも聴いていただきたい、後世に伝えべき素晴らしい演奏とおもいます。1 people agree with this review
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愛撫 先 | 故郷は地球 | 不明 | 13/November/2006
バーンスタインに聴き疲れたので同じウィーン・フィルということで買ったらとても良かった。初期デジタルだが音は良いし、ウィーンの魅力はこちらの方が出ている。(ウィーンの魅力は1980年前後までだったと思う。最近は全くダメ)「第5」といってもベートーヴェンとは違うのだ、この曲はそうではないと認識を改めた。また4楽章以外はトラックが分けられており便利。解説も比較的丁寧。この値段は安い。マゼール&ウィーンはもっと聴き直してみる必要がありそうだ。1 people agree with this review
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フロイド | 神奈川県 | 不明 | 14/August/2005
そつはないがどうも今一歩なマゼール:ウィーンフィルの全集のなかで5番だけは非常に面白く聴き応えのある内容です。時折細部を強調しながらも常によどみない流れを持ち、全体をゆるぎなく壮大に構築しています。オーケストラのよさを生かした清澄な情感表現も魅力的です。0 people agree with this review
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