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Bach, Johann Sebastian (1685-1750)

CD Sonata, 1, 2, Partita, 1, For Solo Violin: 川田知子

Sonata, 1, 2, Partita, 1, For Solo Violin: 川田知子

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    Erdinger  |  神奈川県  |  不明  |  25/July/2022

    バッハの無伴奏ヴァイオリン曲集を聴いていて、三声・四声の和音の演奏法がいつも気になっていた。例えばソナタ第1番の冒頭、g・d・b・gの四分音符の和音、4つの音を同時に音価を保って鳴らすのは不可能。そこで、ヨアヒムの校訂版では、gとdが十六分音符、bが八分音符、高いgだけが四分音符に記譜されている。要するに最初にg線とd線を鳴らし、続いて、a線とe線を鳴らして次につなげて行け、という指示だろう。ジギスヴァルト・クイケンが「Bleib bei uns, Bach」の中で『四和音は、よく好んで二音ずつに分解される。これによってこの和音は力のこもった男性的とも言える表現が与えられる。』と述べているやり方に該当するのだろう。クイケンは続いて『一方で和音というのは、アルペッジョ風に一音一音で演奏すると、多彩なニュアンスからなる豊かな音色のパレットを提供する。ここで重要なのは、あくまで和音が聴き取れることである』とも述べている。モダン・ヴァイオリンによる演奏の大半が、クイケンの言う「男性的な表現」で演奏されることが多く、バッハの堅固な構成の音楽にはそれがふさわしいと考えられてきた。しかし、堅固な構成=筋肉質なムキムキの音楽、というわけではあるまい。「多彩なニュアンスからなる豊かな音色のパレット」もバッハは用意していたはず。そういう点で、川田さんの演奏は、今まで自分が聞き逃していたバッハの世界に気づかせてくれた。バッハの無伴奏は好きな曲集なので、LP時代からずいぶん色々な演奏に接してきたが、モダン・ヴァイオリンによる演奏で、三声・四声の和音の持つ「多彩なニュアンスからなる豊かな音色」に留意しているのは、他にイザベル・ファウスト位しか思い浮かばない。川田さん、よくぞ録音してくださった。バッハ好きな方々、是非お聴きになっては如何。

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