Bach, Johann Sebastian (1685-1750)
Mass in B Minor : Rudolf Lutz / J.S.Bach Stiftung Orchestra & Choir (2CD)
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mimi | 兵庫県 | 不明 | 03/April/2018
一言で言って、非常に精度が高く、にもかかわらず現代的な躍動感にも溢れたロ短調ミサです。昨今、若手(といってもR.Lutzは60過ぎ)の優秀な指揮者によるロ短調ミサが立て続けにリリースされていますが、この演奏はその中でも、演奏の質から言えば疑いなくトップクラス、どんな細部をとっても曖昧な部分がなく、Bachの音楽として考え抜かれた回答が与えられており、OVPPでない様式のロ短調ミサ演奏としては、ひょっとしてBrugghenの晩年盤や、Savall盤をも超える完成度を有しているかも知れません。特に凄いのは、実は多くの演奏で躓きの石になってしまう、第2部Credoが、全体から細部に至るまで、構造的に完璧に分析された上で演奏実践されていることで、この部分だけとってみれば、もはや伝説的なLeonnhardt盤に次ぐかも知れません(言い過ぎ?)。自分はR.Lutzの録音を聴くのはこれが2,3回目なので、CD解説以上の情報は知らないのですが、経歴をみると、ながくBach研究家、オルガン・チェンバロの即興演奏の専門家として教育・演奏に地道に携ってこられたようで、その経歴がこのロ短調ミサの分析・演奏実践に、他の多くの指揮者にはない、強固で説得力のある根拠を与えているのが理解できます。演奏者も、独唱者、合唱、管弦楽すべて、決して誰でも知っているような著明演奏家ではないにもかかわらず、その演奏のどこをとっても上質で破綻の無いものであり、こちらも現代のバロック演奏団体として疑いなく現代のトップクラスです。…と書いてきて、客観的には最高評価をつけるべきなのでしょうが、これだけ質の高い演奏でも、不満が無い訳でないのが、この難曲の難曲たる所以でしょうか。正直なところ、最初に聴いた時はかなり鮮やかでインパクトの強い印象だったのですが、いくどか聞き返すうち、どうも、ここかしこに「何かが違う」感を覚えます。それが何なのか、実は当初よく解らなかったのですが、CD解説のR.Lutzのインタビューを読んで、朧げながら見えてくるものがあります。R.Lutzはこの難曲の演奏実践にあたり、当然のことながら、自己の深い音楽史上の知識と長いBach演奏家としての経験から来る、Bach音楽に対する確かな直感で、錯綜とした音楽諸要素の構築に回答を与えており、それはそれだけで大変に見事な成果です。ただ、そういった学識と経験から来る作業を経た上で、最終的な演奏実践の形を決めるに当たって、R.Lutzが拠り所としているものは、自分が考えるにこの大曲が現代の演奏場で鳴り響く時に、いかに効果的に現代的に、演奏者にも聴衆にも聴かれるか、という一点に収束しているようです。従って、紛う事無き歴史的演奏なのですが、最後の最後で優先されるものが、KuijkenやLeonhardtがあくまで拘ったような「それがその当時いかに響いたか」ではなく、「現代の聴衆にいかに訴えかけるか」であるために、時にやや物量的、外面的な演奏に聴こえ、それが幾度も聴いてくると、こちらを疲れさせる原因になっているのではないでしょうか。ともあれ、大編成、大合唱団を使用したロ短調ミサの中で、最上級の演奏であるのは間違いないところで、演奏形態としてあくまでその形態を好まれるBachファンには、疑いなく一番にお薦めできる演奏の一つではないでしょうか。3 people agree with this review
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