Symphony No.5 : David Zinman / Zurich Tonhalle Orchestra
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遊悠音詩人 | 埼玉県 | 不明 | 08/November/2011
マーラーの交響曲というと、例えばバーンスタインやテンシュテットのように、とかく感情移入の濃厚な演奏が持て囃される傾向にある。第5番に関しても、殊にテンシュテットの1988年ライヴ盤など、まさに全身全霊の熱演であり、個人的にも極めて高く評価してきた。テンシュテット自身の闘病生活も相俟って、苦悩から歓喜への一大ドラマを形成し、特に終楽章の盛り上がりなど涙なしには聴けない仕上がりであった。だが、この曲の構成を改めて調べると、どうも“苦悩から歓喜へ”という路線とは掛け離れているように感じるのである。確かに、短調に始まり長調に終わるから、一見すると暗→明である。が、嬰ハ短調で始まるならば終楽章は変ニ長調になるところを、何故かニ長調という遠隔調へと飛んでいる。しかも間には長大なスケルツォが挿入されており、ベクトルを捩曲げてしまっている。終楽章など、《子供の不思議な角笛》の《高遠なる知性のお褒めの言葉》(カッコウとナイチンゲールが歌比べをするが、愚かなロバはカッコウの下手な歌に軍配を挙げるという筋書きの曲)の引用と、深遠なるアダージェットのパロディによって成り立っているのである。これらから、実は徹頭徹尾アイロニカルな曲であることがお分かり頂けるだろう。そう、魂を揺さ振られるような感動など、始めから求めてはいけなかったのだ。今まで正当な解釈と目されていたバーンスタイン路線が、如何に作品の本意と掛け離れてしまっているか理解されよう。ジンマンはバーンスタインの解釈を「主観的であり、私の解釈と根本的に異なる」と述べている。私情を排した解釈に賛否両論あるだろうし、現に自分自身も当初は理解できずにいた。しかし本当は、下手にドラマを構築するより、客観的に作品構造を分析した上で、各パートを過不足なく鳴らすほうが、遥かに面白いのだ。すっきり見通しが良くなったお陰で、モチーフの提示や展開の妙や管弦楽法の巧さが手に取るように分かる。こんなマーラーが、かつてあっただろうか?2 people agree with this review
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まめ | 東京都 | 不明 | 30/August/2011
本来、個人的な嗜好としてバーンスタインなどのアクの強い演奏が好きなので、あまり期待しないで聞いたものの2番同様、いい意味で期待を裏切る良い演奏(録音も!)。 同時にMTT&SFSOも聞いて、こちらに軍配。 ジンマンもやはり客観的な演奏(実演でも)ながらコクがあり、一音一音にエネルギーがあるように感じる。アダージェットはサラっとしすぎた感はあるものの1、5楽章は充実感高い。2回、3回と思わず聞いてしまうSACD。0 people agree with this review
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翔鶴 | 山口県 | 不明 | 24/May/2011
この第五シンフォニーはどうなんだろうか。所謂第四ヴェニス楽章は何処のオケあるいは誰の指揮であろうとも同じように聴けるけれども…最終楽章の盛り上がり、特に弦バスの厚み等はこのタッグチームでは薄いように思う、この曲独特の爽快感を持ったラストでもないし、ドイツ文化圏のオケだけに残念。比べる意味はないだろうがコンセルトヘボウ・ヤンソンスの方に分があるのでは。むしろトーンハレ・ジンマンは第七シンフォニーの方が面白い気がする。1 people agree with this review
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ほんず内閣総理大臣 | 北海道 | 不明 | 17/February/2011
そうだなあ、やっぱり、全体の感銘度は薄いですね。特に第1・2楽章が平板な出来なのが困ります。問題提起とその展開(増幅)としての部分が不十分なので、その後も充実感が得られません。第3楽章以降はなかなかに晴朗感があっていい出来なんですけれど、残念です。ジンマンさんのマーラー、もちろん水準は高くて、トータルとしてはよいのですけれど、メダルには手が届かず入賞、というくらいなんですよね。0 people agree with this review
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だるま | 福島県 | 不明 | 16/August/2010
この演奏の特徴をひとことでいえば、響きが浅いということか。だが、それは欠点ではなく、この演奏の長所となっている。互いの音が解け合わないので、曲そのもののもつ空間性が生きてくるからだ。とくに、弦の低音部を右に寄せた対向配置は、かなり成功していると思う。それにしても、ドイツ語圏のオケらしからぬ響きではある。0 people agree with this review
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ヒューブーン | 静岡県 | 不明 | 13/August/2010
ベートーヴェンでげんなりしてしまったジンマンだが、マーラーはそれなりに素晴らしい。奇をてらった解釈でなく、とりたてて情熱も感じられず、心底に響くような主題性もない。ジンマンのマーラーは(…とは言っても他はまだ6番しか聴いていない)、強いて言えば小澤征爾のように、ニオイのないマーラーである。従って「暗さ」や「ドラマ」の内在を求めて聴いていたら物足らないこと必至であり、むしろ瞬間瞬間の音、響き、音色 などを楽しむ演奏だと言える。想像だが、多分”純器楽”の,7番9番あたりが素晴らしいのではないか?是非引き続き聴いてみたい。0 people agree with this review
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zawa | 京都 | 不明 | 28/August/2008
(第一印象)じっくりと聴かせてくれる演奏で、楽章が進むにつれ尻上がりに良くなってくるように感じた。一時中断するんですか?ま、それもいいかな。このシリーズがいいのは、@録音は抜群でハイブリッドであること、A演奏もいい、Bハイブリッド盤であるのに安い!という訳で再開を楽しみにしています。0 people agree with this review
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Kei | 横浜 | 不明 | 18/August/2008
確かにこれは良かった。シノーポリのような畳込むような激しさはないが、そのかわりにじっくりと曲に浸らせてくれる。パート・バランスも良く、これ以前の演奏で多少感じられた薄味過ぎるところもかなり解消されたと思う。録音も秀逸で、この値段では大変なお買い得盤。2 people agree with this review
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masashing | 大阪府 | 不明 | 09/August/2008
相変わらずホールトーンがすばらしい。冒頭のTpの吹き出しにEXTONのようなキレが欲しい気がするが、弦はとてもいい。プレートル盤とほぼ同じテンポなのに、彼のは「焼肉」で、ジンマンは「京懐石」といったところ。細部までダシの利いた不満のない味付けである。今後休養で一時中断するらしいが、それはだめでしょう。ゲルギエフのような粗製乱造(?)は望まないにしても。最後に、ケースは入れ替えしています。0 people agree with this review
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恐怖のタヌキ男 | 地球 | 不明 | 01/August/2008
ジンマンのマーラー、5番で初めて聴きましたがなかなかいい!ポスト・バーンスタイン世代のマーラーで、トーンハレ管弦楽団を指揮して、シカゴ、ニューヨークなどとは異なる魅力を見せてくれており、パワーもあるものの力任せではなく、しなやかで素晴らしいマーラーです。ジンマン、8、9番が早く聴きたいです。0 people agree with this review
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マラー | 福井市 | 不明 | 23/June/2008
ようやく、ドロドロしたマーラーの表現になった。おめでとうございますジンマンさん。チューリッヒの方々もようやくつかんだ感じです。第9までにもうひと皮、化けてもらいたい。でないと第9は無理でしょう。0 people agree with this review
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starway | 東京都 | 不明 | 07/June/2008
「巨人」に続く名演。 第二第三交響曲がいま一つだった為、このまま衰退してしまうのかと思われたが、見事「復活」してくれました。 特に第一第四楽章は聴かせてくれます。 「悲劇的」も期待だ。0 people agree with this review
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