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Schubert (1797-1828)

CD Wanderer-fantasie: Pollini +schumann: Fantasy

Wanderer-fantasie: Pollini +schumann: Fantasy

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  • ★☆☆☆☆ 

    I amSterdam  |  東京都  |  不明  |  02/October/2010

    ポリーニのピアノ、とりわけシューベルトやシューマンを聴くとき、必ずと言っていいほど居心地の悪さを覚えます。確かに「ピアノの世界」という意味では完璧であり、完結しているとも言える音楽です。だがそこに「ピアノの世界」を追求する求道者ポリーニの姿勢が見える。その姿勢がわたくしをして居心地の悪さを抱かせる。ピアノという楽器を突き詰めようとするポリーニの姿勢がそうさせるように思えるのです。だから、シューベルトはもちろんシューマンも手がけたリートの世界をポリーニが弾いたなら、ピアノというメカニックな楽器とは対極にある「声の世界」とあまりに乖離してしまうのではないか。そういう危惧を抱くのでしょう。もちろん「声の世界」と「ピアノの世界」は別物かも知れない。けれどもその2つの世界を創作した当の本人にあっては何らの別なく一個の人格のなかで、ひとつ心から生まれ出た世界であったはずです。それを思うとき、例えばシューベルトの傑作リート「夜と夢」のピアノに聴く幻想世界を、このポリーニのシューベルトからは感じることができない。もちろん思いを込めて音楽するより、求心的に臨んだ方が作品の実相を映すに違いない。しかしながらその実相には(それが実相であるがゆえに)「音楽の愉悦」という余情が滲み出るものではないでしょうか。余情という言葉の字義どおり、それは思いを込めて「出す」ものではなく、実相から「出る」ものでありましょう。余情を感じないポリーニの「ピアノの世界」を象徴しているのが、「若者の音楽」であるこのシューベルトでありシューマンであるように、聴けば聴くほど思えてならないのです。

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