Schoenberg, Arnold (1874-1951)
Piano Works: Pollini
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伊奈八 | 茨城県 | 不明 | 12/August/2021
シェーンベルクのピアノ曲集の古典的名盤というと、グールド盤とポリーニ盤ということになろうが、私見ではどちらもお奨めしづらい。グールド盤は感情移入のし過ぎで分かりづらく、ポリーニ盤は人間味が薄くて分かりづらいからだ。しかし、改めて聴くとその人間味の薄さの中に妙味がある。3つのピアノ曲Op.11は、高い技術で音楽が運ぶ割には曲のドロドロした人間味とポリーニの個性が合わないのかさっぱり伝わらない。6つのピアノ小品Op.19も、この曲から聞きたい抒情味に欠ける。ところが、シェーンベルクのピアノ曲の中でも難解な5つのピアノ曲Op.23から俄然面白くなる。変化し続ける曲想に、ポリーニは実に生き生きとついていく。肉体が透明化していくような虚無感と、生の充実というアンビバレンツが面白い。さらに、ピアノ組曲Op.25になると、肉体も心も売り渡して機械人形と化した気楽さで、音楽が生き生きと躍動する。その機械人形に、ふと蘇る自我の記憶。そして精神的錯乱。ピアノ曲Op.33abは、倒錯的な充溢、満足の世界。これもまた面白い。それでも、この演奏がNo.1とは思わない。後発に良い演奏が沢山あるから、先入観を持たずに色々と聴いたほうがよい。0 people agree with this review
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 24/February/2018
ポリーニの出発の頃だから かれこれ半世紀近く前の録音ということになる 折に触れ聴き続けてきた 情に溺れそうになった時 優しさが枯渇しそうになった時 青い夜に 朽葉色の昼に 思い出してはディスクを引っ張り出してきた 日常の音楽的環境では受け止めきれない迷妄した心理をフラットな地平に降り立たす働きをしてくれた そこでは情感は絶たれたというが然にあらず 物としての音楽が鳴り響いた時 その背後に隠しても隠しきれない生の感情が溢れている ポリーニは即物としてピアノを奏しながら 確かにシェーンベルクの幾分朴訥な直情を見抜いていた 後半ほど少し引き過ぎてしまった感が否めないが やはり今も音楽の生命を失っていない演奏だ もう技法を論ずる必要も興味もなくなった ただ音楽があるばかりだ 朋は憶えているだろうか あたなは如何1 people agree with this review
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ひのき饅頭 | 愛媛県 | 不明 | 05/April/2005
現代音楽は如何に弾かれるべきか、当時のブーレーズらが主張する方法をそのまま音化したような画期的な名録音だが、21世紀なった今、それが時代を感じさせるとは面白いものだ。この演奏が提示するものはそのまま20世紀の音楽の成果・反省点として記憶されるべきものでしょう。今ならウェーベルンはアンデルジェフスキーで、シェーンベルクはピーター・ヒルあたりで聴いて見ましょう。そこでは、切り落とされたはずの、情感や移り行く光のようなものが私達を音色旋律の世界へと連れて行ってくれます。音楽は時代とともに変化していくものですね。2 people agree with this review
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夜明けの口笛吹き | 東京 | 不明 | 10/November/2004
極めて緊張度の高い演奏である。長年聴いてきたが、これに勝るものは出ていない。聴き終わる頃にはかなりの疲労感を覚える覚悟は必要である。0 people agree with this review
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