Tannhauser: Gerdes / Deutschen Oper, Nilsson, F-dieskau, Windgassen
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ほんず内閣総理大臣 | 北海道 | 不明 | 06/April/2013
いろいろと考えながら聴き、聴き終えた後も考えました。何とも不思議な演奏なのです。「この演奏のコンセプトはなんだろうか?」ということを、やはり考えずにはいられません。思い至ったのは、「これは、歌を前面に立てたロマンティック・オペラとしてのタンホイザーなのだな」ということでした。歌手陣は最強の布陣。1960年代にバイロイトで主役を張った大歌手が並んでおります。その歌手たちは、「どうだ!」と言わんばかりに朗々たる声を響かせ、また一方、情感のこもった表情豊かな歌を披露しております。そうしたワーグナーの手練たち、ベテランたちが、自分たちの「歌」によってこの劇をぐいぐい引っ張り先へ先へと進めてゆきます。「タンホイザー」というオペラ自体が「歌合戦」を題材にしているわけですが、この演奏自体が「歌合戦」になっていて、そのシンクロぶりはなかなか面白い。演奏のコンセプトは、この強力歌手陣を選んだ段階でもう決定したというところです。ワーグナー演奏においては比重が大きい指揮者は、ここではその方向に合わせてアンサンブルを揃えるという以上の意欲(野望?)は持っていないようです。序曲から第1幕は特に気勢上がらず、正直不満が大きいです。第2幕でも合唱は抑え気味。第3幕でようやくオケも存在感を発揮して鳴り始めますが、全曲の終結などは至極あっさりしていて、大曲を聴き終えたという充実感がまるでなし。なんかねえ、歌主導のヴェルディのオペラのスタイルをワーグナーでやってみたという感じで、そしてそれには限度があるぞということが痛感させられるアルバム。「歌合戦」としてユニークですが、それ以上の優越点を見いだせない気がします。なお、強力な歌手陣についても不満はあります。ウィントガッセンは毎度の通りラフな印象の歌。ニルソンも、私はどうも美声だと思えないので、肉付きの良さだけが引き立つ感じ。なお、ヴェーヌスはともかく、このエリーザベトはイメージから外れていて失敗ではないかな。アダムやディースカウらは立派なもの。録音は全般に歌手を引き立てたバランスで、オケはやや引っ込み勝ち、コーラスはずっと奥にあり、その辺も物足りない。総じて、いま一つの出来栄えと言わざるを得ないかな、と思います。1 people agree with this review
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eroicka | 不明 | 不明 | 09/November/2012
ファーストチョイスや典型的な名盤というよりはマニア受けする1枚だとは思うが、歌手の豪華さは無類だ。ヴィントガッセンはピークを過ぎてもはや歳をとりすぎた感じだが、ニルソン、F=D、アダムなどは上り坂にあり、声楽的にこれほど隙のないものはない。善と悪、貞操と多情、清純と淫乱…といった「女性の二面性」を描くヴェーヌスとエリーザベトの一人ニ役の演出はたまに上演されているようだが、性格の描き分けが難しそうだ。ここでも、ニルソンの描きわけは必ずしも成功していないとは思うが、ニルソンの多彩な表現力を味わえるのは面白い。このCDが出るまでLP時代から廃盤になっていた時期の長いコレクター好きのレア・アイテムだった。それが市場で簡単に入手できるようになってからも、廃盤にならずに10年近く残っているのはリスナーの評価の高さ故だろう。DGのプロデューサーだったオットー・ゲルデスの指揮は手堅いオペラ的手腕だけではない個性も発揮している。指揮者としてはスターにはなれなかっただろうが、昔廉価版で売られていたブラームスの4番のLP(廃盤)もあり、彼の名を埋もれさせるのはもったいないような気がする。2 people agree with this review
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名古屋の鉄 | 愛知県 | 不明 | 22/January/2011
なぜ、この素晴らしい演奏に最高の評価をしないのでしょうか? 指揮者が無名のゲルデスだからでしょうか?では、指揮者名を伏せて聴いてみましょう。 正直、購入し、聴いてみて初めてこのような出会いがあるものと思いました。 久々に書庫整理をしたところ、10年以上前に購入した「このオペラを聴け」なる雑誌を見つけたところ、タンホイザーの最高評価ではありませんか。 かなり疑心暗鬼ながら、タンホイザーについては完全な賛同ができる演奏に巡り合っていないことから購入。結果は、この演奏のどこが悪いと思うところ大。F-ディスカウのWolfram、近年はやりのヴェーヌス=エリーザベトもこれが走りではありませんか。しかもあのニルソンで。敢えて難を言えばヴィントガッセン。トリスタン役程の迫力はないものの、これはこれで、タンホイザーらしく、小生の知る限り、最高の演奏です。指揮者のギャラを考慮すれば、経費効果も絶大。6 people agree with this review
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鉄血桃太郎 | 山梨県 | 不明 | 14/May/2010
不思議な録音である。綺羅星の如きソリストを並べながらオケは音の固いベルリン・ドイツ・オペラ。指揮者も妙な経歴の人物。かつて福永陽一郎がこれは本来ならカラヤンが振っていたのでは、という大胆な仮説を述べた。確かにカラヤンはワーグナー主要十作ではタンホイザーのみ全曲録音をしなかった。しかし面白いが仮説は仮説。真の理由はまた他の事だったのではないか? 演奏内容は必ずしも悪いとは言えないが、やはりもっと器量の大きい指揮者で聴きたかったという思いは否定できない。星四つは歌手陣の健闘を讃えて。0 people agree with this review
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エステ荘の噴水 | 岩手県 | 不明 | 13/March/2010
別のワーグナーのCDレビューで「偉大な歌手達を聴くべき録音」と投稿したところ「Wagnerでは指揮が最重要。イタリア・オペラとは違う」と突っ込まれてしまいました。それはそうなんでしょうけれど、やはり“歌手を聴くべき録音”というのもあるような気がします。このCDはその最右翼。昔から歌手の豪華さ(のみ?)で有名だった録音ですが、ゲルデスの意向もあったのではないかと思います。歌合戦をカットしていないドレスデン版の採用、ニルソンの二役、というのもそれを示しているように思われます。指揮も偉大な歌手達に奉仕する姿勢を感じるのですがどうでしょうか? ちなみに、個人的にはもう少し短く、また(見ればもちろん、音だけでも)十分に色っぽいパリ版の方が好みです。2 people agree with this review
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Wagner XP | 東京都 | 不明 | 23/September/2008
これのどこが失敗作なのか 全くわかりません。歌手は大物、オケも立派で録音が良い。廉価盤でこれだけ充実していれば、初心者がタンホイザーを堪能するにはもってこいだと思います。2 people agree with this review
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Cherubino_492 | 東京都 | 不明 | 04/November/2007
これは昔から失敗作と言われていたものです。確かに指揮者は致命的に弱い。しかし歌手は実力を出し切ったとは言えないまでも、ヴィンドガッセン以外は『それぞれ別の方向を向いてマイペースで』丁寧に歌っていて、美しい場面にも事欠きません。ヴィンドガッセンの前のめりの歌を指揮者が全く制御できないのですが、結果的にはタンホイザーの出る場面のみ生命力を感じるという有様です。ニルソンの二役は共に貴重です。音質は60年代の録音としては優秀ですが、劇場の匂いはしません。演奏会形式を思わせる音づくりはゲルデスのポリシーでしょうか?0 people agree with this review
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