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Mahler (1860-1911)

Blu-ray Disc Symphony No.9, Symphony No.10(Adagio): Paavo Jarvi / Frankfurt Radio Symphony Orchestra

Symphony No.9, Symphony No.10(Adagio): Paavo Jarvi / Frankfurt Radio Symphony Orchestra

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  30/May/2015

    第9番は2009年6月、第10番(アダージョのみ)は2008年6月、いずれもエーベルバッハ修道院で収録。この素晴らしいマーラー・ツィクルスのほぼ唯一の欠点は、大半の曲がこの修道院での収録になってしまったこと。第9番は非常にポリフォニックな様式で書かれた曲だし、演奏者も複音楽的な線の絡み合いを克明に表出しようとしているのだが、聖堂内の長すぎる残響に災いされているのは明らかだ。けれども、演奏そのものは大変すばらしいと思う。ほぼ一年前の来日公演の時よりも、さらに練れた印象があり、6番、7番と並んでこのツィクルス白眉の演奏と言える。ただし、第9番の演奏と言うと、われわれ聴き手はその指揮者のマーラー解釈の総決算的な出来を期待してしまいがちだが、パーヴォとしてはこの時点でのベストを尽くしたことは間違いないものの、まだまだ発展途上の演奏だと思う。第1楽章は全体としては遅めのテンポを基本にしつつも、提示部の終わり、展開部の二度のクライマックスなど総譜がテンポ上げを指示している箇所での、きわだった加速の仕方が印象的。根本的にはクールなアプローチながら、そのために「熱い」、表現主義的な感触が感じられる。しかも徐々にアッチェレランドするのではなく、デジタル的にテンポが動く。第2楽章は3種類の舞曲の描き分けがテンポ配分とともに実に理想的。第3楽章はポリフォニーに目配りしつつも、一気呵成な速度で進む。しかし、終楽章の先取り部は非常に遅く、アダージョに近い。終楽章も遅めの基本テンポの中に、細かい緩急のアゴーギグを盛り込んだ演奏だ。 第10番のアダージョは2007年10月、ヴァージン・レーベルへの録音もあったが、やはりこちらの方がさらに熟した印象。遅いテンポによる濃密な表現だが、動きの細かい第2主題では、はっきりテンポを上げるなど、コントラストが鮮やかだ。

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