Complete Symphonies, Concertos : Gergiev / Mariinsky Theatre Orchestra (2013-2014 Paris)(8DVD)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 03/May/2016
発売から一年経つが、まだレビューがありませんね。確かに大変な難事業、ゲルギエフ以外にはできそうにない仕事であるのは確か。幸いカメラワークも穏当、録音・録画ともにきわめて良好だ。まだ演奏機会の少ない第2番、第3番を含めて全曲の録画が揃うのはありがたいが、ただし、すべての曲が「最高の名演」でないことは言わねばなるまい。たとえば第4番、それなりにサマにはなっているが、突っ込みに欠ける、彫りの浅い箇所が随所にある。ラトル/ベルリン・フィル(デジタルコンサートホールに二種類の録画がある)と比べれば一目瞭然だ。第5番は最大公約数的な解釈。徹底的に重厚な、シリアス路線で行くわけでもなく、アイロニーや茶化しなど軽みを重んじた解釈でもなく、どうも中途半端だ。第13番も意外に粗く、ロシア語ネイティヴの合唱団の強みを生かしきれていないし、第14番も大味だ(バスはこちらのペトレンコが良いが、ソプラノは2012年7月ペテルスブルク録画、辻井の弾くチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番の後プロのセルゲーエワの方が良い)。しかし、繊細かつシャープな第6番、第9番は素晴らしいし、第7番、第8番、第11番といった「壁画的」な大曲はおおむね良い出来。協奏曲集も貴重な映像が多い。二つのピアノ協奏曲にトリフォノフ、マツーエフとは何とも豪華だが、大好きなピアノ協奏曲第1番の映像はここで初めて見た。史上屈指のヴァイオリン協奏曲、第1番でのレーピンの演奏も嬉しい。 星を一つ減らしたもう一つの理由は、ライナー・E・モーリッツのドキュメンタリー『多くの顔を持つ男』が、20年ほど前のラリー・ワインスティーンの作品『ショスタコーヴィチの反抗』と違って、今となっては毒にも薬にもならぬ凡庸な内容であること、およびゲルギエフの曲についてのコメントがことごとく当たり障りのない話に終始していること。ロシア国内で重要なポストにある人間としては、まだ発言を自己規制せざるをえないようだ。交響曲全集のライナーノートをすべて自分で執筆しているマーク・ウィッグルスワース(演奏も良いが、ライナーも力作揃い)に遠く及ばない。13 people agree with this review
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