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Schubert (1797-1828)

CD "Piano Sonatas Nos.18, 21, impromptus D.935, etc : A.Schiff(Fp)(2014)(2CD)"

"Piano Sonatas Nos.18, 21, impromptus D.935, etc : A.Schiff(Fp)(2014)(2CD)"

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    風信子  |  茨城県  |  不明  |  19/March/2019

    そうだ シフはハンガリーの人だった 元々シューベルト家もモラヴィアの殖民からウィーンへ移り住んだ フランツは三代目 冒頭の”ハンガリーの旋律”がこんなことを思い出させた 1820年ブロードマン製作のフォルテピアノの音色も手伝ってタイムスリップしてしまった 続く”第18ソナタ”に広がる律動の波にハンガリーあるいはスラヴの民族色を感じる 踏むステップに独特の癖がある Fpの軽く浅い響きが生きている それはずっと澄ました風情の”楽興の時”でも 弾ける泡のごとき儚さを感じさせる ”アレグレット”はシューベルトの”愛の挨拶”だ 慄きを覗かせながらも訴えかける音楽 その姿勢は続く”即興曲”に色濃く続き 思わず説き伏せられそうになる これが同じFpかと思うほど深い響きを奏でる この4曲の”即興曲”は続けて演奏しても一曲に感じられる調性の連なりで構成されている 饒舌で熱情滾る”即興曲”の後に最後の”第21ソナタ”が来る 枯淡の趣きの中にもおおらかな歌が広がっていく これがシューベルトだと肯いてしまう 改めてFpの音色と余韻の魅力が生きていると感じる もう現代楽器とピリオド楽器と分野を分ける時は過ぎた 自由に往き来すべき時だ このシューベルト世界の味わいを あなたも如何  

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    うーつん  |  東京都  |  不明  |  13/May/2015

     シューベルト好きの私にとっては待望のリリース。しかもD894&960に加え、即興曲などの小品集もたっぷりのボリューム。毎度のことながらECM&A.シフの出すCDはどっさり大盛りが嬉しいところ。  聴いてみての感想は「良くも悪くも期待を裏切られた」。フォルテピアノを使ったためなのか劇的な動的な表現でなかったと感じた。期待した動的な表現はなく、その意味では裏切られたが、楽器の特長を前面に出し、そこから引き出される曲の魅力を味わうことができたのが良かった。どうしても劇的(または悲劇的)なシューベルトの方が世間受けしそうな気もするがそれをせずとも感情はにじみ出てくるものなのだろう。 ただ、シューベルトのソナタをこの表現で初めて聴くと、退屈に思えてしまう方が出てくる気もする。  ゆっくりじっくり描き出すより、さらっとした演奏。かといって軽いわけじゃない。濃厚なスープでなく、さっぱりしていながら旨みがじわーっと立ち上る上品なお吸い物を、香りを感じつついただいているような感じ。  楽器の音はやわらかく鄙びた風合いが美しい。レビュー文にあるようにこの楽器ならこのような演奏がしっくりくるのも納得させられる。

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