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神山典士

Books ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌

ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌

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    テリーヌ  |  大阪府  |  不明  |  18/July/2015

    クラシック音楽と商業ベースの厳しい現実を再確認できました。芸術におけるイメージ戦略・ストーリー作り・認知度向上・採算性・興業成算などを考えると、かなり大きなエネルギーが必要で、今後のクラシック音楽界の先細りが心配です。ベートーベンは作曲家兼ピアニスト兼有能営業マン(献呈で謝礼を受け取るなどのビジネスモデル開発者?)であったのですが、その後クラシック音楽の発展には多くの場合分業者として優秀な興業主や編曲者あるいは広報担当者やスポンサー企業がいたわけで、分業や共作の方法論といった問題を含んだ大きな意味を持つ事件であったと考えます。大宅壮一ノンフィクション賞受賞に値する、読み応えのあるドキュメントでした。

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    金山寺味噌  |  愛知県  |  不明  |  13/December/2014

    佐村河内守という稀代のペテン師と、天才と賞賛されたほどの音楽的才能を持ちながら佐村河内のゴーストライターを約17年に渡って務めてきた新垣隆。この奇妙な2人の「共犯関係」と、一連の騒動の全貌を明らかにした著作である。まず、佐村河内という男のあまりに異様で奇怪な性格に呆然とさせられる。大法螺吹きで強烈な上昇志向の持ち主で、平気で嘘がつける男。自己演出と自己プロモートに関しては天才的な才能があり、周囲の人々を巻き込みながら壮大な虚像を作りあげていった。一方の新垣隆は著者神山氏曰く「音楽バカ」で、音楽さえできれば例え貧しくとも幸せだという無欲な才人。佐村河内は新垣のこうした才能と性格に目をつけて接近、ゴーストライティングを依頼するようになる。作品が発表できればゴーストライターでも幸せだと考えていた新垣だが、結局は佐村河内に巧妙に絡め取られ、あやつり人形になっていく。その過程の描写はとてもスリリングだ。 佐村河内を語る上でもう一人欠かせない存在なのが義手の少女ヴァイオリニスト”みっくん”の存在である。佐村河内は”みっくん”の存在に目を付け、利用できるだけ利用し、利用価値がなくなったと見るとあっさりと捨てた。だが佐村河内にとって誤算だったのは、この”みっくん”への傲慢な対応に対して新垣が激怒したことだったろう。「大人は嘘つきだ」という”みっくん”の悲痛な叫びに新垣は全てを告白することを決意する。「共犯者」としてのケジメをつけるために。こうして”現代のベートーヴェン”の虚像はもろくも崩壊していった。 「共犯者」という観点で言えば、新垣よりはるかに悪質なのがNHKである。第11章『疑義まみれのNHKスペシャル』(222ページ〜 )にはその一部始終が詳細に記述されているが、NHKスタッフの佐村河内への無批判な迎合ぶりはあまりに情けなく、ジャーナリズムの魂を全く喪失していたとしか言いようがない。神山氏も「NHKは佐村河内という悪魔に、完全に手玉にとられ弄ばれたとしか言いようがない。ジャーナリズムの屈辱といっていい。」(233ページ)と手厳しく批判している。久々に読み応えのあるルポルタージュだった。

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