Der Fliegende Hollander : Gloger, Thielemann / Bayreuther Festspielhaus, Samuel Youn, Selig, Merbeth, etc (2013 Stereo)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 03/August/2014
第1幕では電脳空間の中で迷子になったダーラント達がIT企業の社長然としたオランダ人に出会う。これ自体、今やとっくに陳腐な設定で、笑うしかない箇所が多いが、第2幕の扇風機工場になると、段ポール製のオランダ人像、これまた段ポール製の天使の羽根など、キッチュでチープな場面が続出する。最後にはオランダ人とゼンタが抱き合う「バイロイト土産」を工場で作っている様を見せて、ストーリー全体を相対化してしまう。つまり、演出家がやりたかったのは、すべてはゼンタの妄想というクプファー流読み替えに対するアンチテーゼだが、いまどき「愛は資本主義に勝つ」なんて話を大真面目にやったら噴飯ものだから、もう一回りひねってみました、というわけ。大方のワグネリアンは意図的なキッチュさに拒否反応を起こしそうだが、なかなか面白い舞台だ。 ティーレマンの指揮は相変わらず雄弁。もう少し粗削りに、ストレートに振ることもできる曲だが、カラヤン風に(?)後期の作品のような豊麗な響きを聴かせる。ただし、演出と演奏が「てんでばらばら」でお互いに寄り添う気配がないのは惜しい。韓国人ユン・サミュエルはなかなかの美声かつ達者な表現力の持ち主。見た目が東洋人であることも、この演出なら何らマイナスにならない。メルベートも悪くはないが、なぜもっと若くて生きのいい歌手を起用しないのか・・・という疑問は残る。ゼーリヒはこの役には勿体ないほどの立派な歌。2 people agree with this review
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