Schumann, Robert (1810-1856)

CD COMP.SYMPHONIES:RATTLE/BPO (+BRD)

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  • ★★★☆☆ 

    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  29/August/2014

    聞き終わって「うーん」と頭を抱えてしまった。少なくともブラームス全集よりは前向きな姿勢が感じられるけど、それが成功したかどうかは微妙。常に新しいことが求められる反面、あまり無茶なこともできないポストにいる指揮者に同情したくなった。今回、ラトルが試みたのは現代楽器を持ち(フルートのみ一部、木製楽器を使用)、弦はヴィブラートたっぷりというベルリン・フィルで疑似ピリオド・スタイルをやってみようということ。もともとゴツゴツ感のあるシューマンのオーケストレーションだから、結果は興味津々。いわば、このスーパーカーでゴツゴツした未舗装道路を走ってみようという企画だったのだが・・・ 結果、このスーパーオケはあまりにもあっさりと悪路を征服してしまった。もう少しピリオド色が前面に出て欲しかった。複雑な味わいではあるけれど、どっちつかず、折衷的であることは確かだ。 曲ごとに言うと、特に残念なのは1番と4番。4番の初稿版は大好きで、改訂版よりベターだと思うが、この版らしさが感じられない。指揮者にとってもオケにとっても難所の終楽章へのなだれ込みなど、鮮やかの一語だが、いささかスムーズに流れすぎている。それにこの2曲では響きがダブつき気味だ。弦の編成は12/10/8/7/5で普通のオケなら適正人数のはずだが、弓をいっぱいに使って力奏するベルリン・フィルの面々にとっては10人ぐらい多すぎた。もともと大交響曲の趣きのある2番、3番は普通にサマになっているが、そうなると今度はあっさりしすぎという不満が出てくる。マーラー、シベリウス以降はおおむね良いし、ハイドンなども素敵なラトルだが、やはり19世紀独墺の音楽とは相性が悪い。なお、かなり高価なセットだが、192kHz/24bit音源がダウンロードできることを考えれば、お買い得とも言える。USB接続できるDAコンバーターにもっと投資しておくべきだったと後悔したが、わが家のかなり貧弱な装置でも確かに凄い音がする。

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