Complete Orchestral Works : Martinon / French National Radio Orchestra (4SACD)(Hybrid)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 20/May/2012
本盤には、ドビュッシーの管弦楽曲全集がおさめられているが、夜想曲、交響詩「海」、牧神の午後への前奏曲などの有名曲も含め、いずれの楽曲も素晴らしい名演と高く評価したい。ラヴェルの管弦楽曲全集の至高の名演としてはクリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団による演奏が掲げられるが、それに相当するドビュッシーの管弦楽曲全集の名演こそは、本盤におさめられたマルティノン&フランス国立放送局管弦楽団による演奏であると考えられる。マルティノンは、シカゴ交響楽団の音楽監督時代が不遇であったため(とは言っても、ラヴェルの管弦楽曲集などの名演を遺している点に留意しておくことが必要である。)、過小評価されているきらいがないわけではないが、ウィーン・フィルとともにチャイコフスキーの悲愴の超名演を成し遂げるなど、その実力は折り紙つきであったと言える。そして、その実力を如何なく発揮し得た演奏こそが、本盤におさめられたドビュッシーの管弦楽曲全集の超名演であると言っても過言ではあるまい。マルティノンは、例えばブーレーズなどのように曲想を曖昧にせず(もちろん、ブーレーズの演奏も説得力があり名演と評価し得ると考える。)、むしろ明瞭に描き出すように努めていると言える。これによって、ドビュッシーの光彩陸離たる色彩感豊かなオーケストレーションが微塵の曇りもなく表現されているのが見事であると言えるだろう。また、各フレーズの端々からほのかに漂ってくるフランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいには、抗し難い魅力に満ち溢れていると言えるところであり、これぞフランス音楽を鑑賞する醍醐味が存在していると言える。いずれの楽曲の演奏も素晴らしいが、とりわけ有名な牧神の午後への前奏曲のアラン・マリオンのフルートソロは、いかにもフランス人奏者だけにしか出し得ない洒落た味わいに満ち溢れていると言える。いずれにしても、本盤におさめられた全集の各演奏は、様々な指揮者による各楽曲の演奏の中でもトップの座を争う至高の超名演と高く評価したい。音質は、従来CD盤でもリマスタリングを繰り返してきたこともあって比較的満足し得る音質であったが、現時点では数年前に発売された、有名曲だけを1枚におさめたHQCD盤がベストの高音質であると言える。したがって、私としても、当該HQCD盤を愛聴してきたところであるが、今般、ついにSACD化が行われることによって大変驚いた。従来CD盤とは次元が異なる見違えるような鮮明な音質に生まれ変わった言えるところである。音質の鮮明さ、音場の幅広さのどれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。1960年代のスタジオ録音とは思えないような音質の劇的な変化は、殆ど驚異的ですらあると言えるだろう。いずれにしても、マルティノンによる至高の超名演を、SACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。8 people agree with this review
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ゆりぞう | 兵庫県 | 不明 | 10/April/2012
たとえ英オリジナル盤で聴いてもそれほどの音質とは思えなかったのでたいした期待もせずに聴き始めたのだが、これは驚いた。おそらく、オリジナルアナログをはっきり超えたSACDであるような気がする。思えば、60年代以前のオリジナルアナログ盤は盤質もよく(厚く)、ずしりと腹に響く音質であったが、70年代頃より盤が薄くなり、それにあわせて音質もどこか頼りないものとなったような気がする。この全集の録音などはまさにその時期にあたっていて、演奏一流録音二流といった感がぬぐえなかった。それがはじめて、録音も一流であったことを知らされたのである。アナログ時代に感じたあの録音のいまいちさは盤質のせいだったのか?本EMI・SACDシリーズも、60年代のものはどうがんばってもやはりアナログにわずか劣る気がするが、70年代以降のものは(盤の)元が元だけにSACDが本来の音質を明白にしてくれているような気がするのである。これで、ミュンシュのXRCD盤と並ぶ「海」が手に入った。あとはブーレーズのコロムビア盤のSACD化を大いに期待したい。ソニーは何をさぼっているのか・・・。6 people agree with this review
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masato | 新潟県 | 不明 | 27/February/2012
「今まで“お国物”に拘るような聴き方はしてこなかったのですが,クリュイタンスの一連のラヴェル録音は別…。どんな名優の東北弁より,地元のお婆ちゃんの東北弁の方が上手いのは当然…,どんな一流料理人の料理より,地元の方の手料理の方が“味”があるのは当然…と感じてしまうのです。音が出るとき,音が消えゆくとき,減衰していくとき,徐々に盛り上がっていく様…隅から隅まで,独特の何かを感じてしまう。これが“フランスのエスプリ”と言われるものなんだろうか…。「思い込み,先入観でしょ…?」という人もいるかもしれませんが,その思い込みや先入観を裏切らず,本当にそう思わせてしまうのは,凄いことではないかと思います」とクリュイタンスのラヴェルシリーズのレビューに書きました。マルティノン&フランス国立放送管のこのドビュッシーにも全く同じことが言えます。両者とも正に“お家芸”。『海』のうねり,『牧神の午後への前奏曲』のホンワリ感,『映像』の躍動感…書き出したらきりがないほどの(というより言葉にできないほどの)魅力満載。8 people agree with this review
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abbadondon | 栃木県 | 不明 | 26/February/2012
EMIの汚い商売根性を感じるSACD化だ。 私はCDのほうを持っているが、音がやせて EMI得意のヒスノイズ満載。 東芝がSACDを出すのではなく、吸収した ソニー系列が音質を改善して廉価で出すべきだと思う。 演奏は、ドビュッシーの管弦楽曲の中では世界一、 録音は世界最低なのだから。 演奏は☆5個録音は☆0中間をとって三つ。4 people agree with this review
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なごやん | 愛知県 | 不明 | 09/February/2012
LPでこの演奏が出た時のキャッチコピーは、たしか、「何年待ったことだろう・・・」と言うようなものだったことを思い出す。確かにこれだけまとまった量の作品群をフランスのマエストロが振り、フランス一のオーケストラが演奏すると言うことは過去なかったことだろう。話題性や注目度十分の登場だった。私もLPで購入し、その後CD(普通のスペック)を買い、大いに楽しんでいる。軽やかさ、美しさ、しゃれた味わいなどなど、やはりドイツのオケとは随分雰囲気が違うなあ、と感じ入っている。マルティノンのテンポ、間、クライマックスの築き方も、これでなくては、と思わせる。キャッチコピーが裏切られない名盤。5 people agree with this review
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1stホルン | 東京都 | 不明 | 28/January/2012
言わずと知れた大名盤ですが、今までのCDではなんとなく霞がかかったような感じでした。今シリーズでのSACD化はどれも素晴らしく、ここでも大幅な音質改善に期待しております。 かつて音楽を聴き始めた私にとって70年代の録音はいまだに愛聴盤目白押しですが、このドビュッシーはいずれも私にとってファーストチョイスがベストチョイスになったものです。 一枚2500円のLPは高校生にとってあまりに高く、小遣いをためてようやく一枚ずつ手に入れたものです。 このところマルティノンはあまり話題になりませんが、こんなに繊細で、しゃれていて、デリケートで、しかもフランスオーケストラの響きが堪能できるものはめったにないと思います。「お国もの」が正真正銘「お国もの」であった最後の時代の、貴重な録音です。10 people agree with this review
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