Symphony No.1 (Hamburg 1893 version): Hengelbrock / NDR Symphony Orchestra
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 22/November/2017
”巨人”が異形の交響曲であることを改めて思い知る機会を得た もうベートーヴェンの残映を引き摺っていないことも明白になった 簡明な旋律と荒々しい推進力を以って水平方向へ和声を展開する音楽は現実離れした夢心地の世界へ聴衆を誘引する ロマン派の終焉の地に近づいたことを思い知らされる その初めから終末の風を漂わせる音楽は甘美で危うい風情を纏う 楽章の前半を導入部に費やす第1楽章が象徴だ 明確な主題を提示せず揺蕩うオーケストラの作り出す”空間”にマーラーが陽炎のように立っている 終わりの始まり 新しい世界が来る予感に身が震える ヘンゲルブロックはこの一曲でマーラーを語ってしまった 綴ってしまった おそらくもうマーラーに帰って来ることはないだろう それでいいように思う 今日突然マーラーが聴きたくなった そこで引き出したのがこのヘンゲルブロック盤だった 久しぶりに再聴して驚いた この新鮮な感動は何だろう もしまだであれば お聴きになっては如何 通常の”巨人”と同様愉しめること請け合い0 people agree with this review
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