Books 音楽格闘家兼常清佐の生涯

音楽格闘家兼常清佐の生涯

Customer Reviews

  • ★★★★★ 
    (0 posts)
  • ★★★★☆ 
  • ★★★☆☆ 
    (0 posts)
  • ★★☆☆☆ 
    (0 posts)
  • ★☆☆☆☆ 
    (0 posts)

Do you want to write a review?

Write you own review

Showing 1 - 1 of 1 items

  • ★★★★☆ 

    金山寺味噌  |  愛知県  |  不明  |  27/December/2014

    20世紀前半に活躍した音楽学者・評論家の兼常清佐(1885~1957)の伝記。”音楽格闘家”とは、よく名付けたものだと思う。奇抜にして反骨精神に満ちた過激な論説で日本の音楽界に旋風を巻き起こした人物である。『音楽界の迷信』という論文で「パデレウスキー(ポーランドのピアノの巨匠)が叩いても、猫が上を歩いても、同じ鍵盤からは同じ音しか出ない」と言い切り、「ピアニスト無用論」と呼ばれ大論争の発端となった。著書『日本音楽』では「正しい意味での日本音楽史といふものはあり得ない」と邦楽の歴史を全否定するかのような文章を書いた。そのため彼は”奇人”とか”爆弾男”などと呼ばれ異端視された。源氏物語やアララギ派を批判したり、戦時体制下での音楽教育に苦言を呈したりと、あちこちに噛み付いていた人である。当然敵も多く、それが為に現在に至るまで正等な評価をされているとは言い難い。 その一方で兼常は自分の妻を「女神」と呼ぶ愛妻家であり、自殺した悲運の天才女流ピアニスト久野久子への追悼文を2日連続で新聞に発表するような人物でもあった。反戦主義者であり、日本の音楽教育の充実のために奔走するという面もあり、奇人には違いないが他人への思いやりもちゃんと持っていた人物であった。兼常のあまり知られていない側面を知ることが出来る本である。 著者蒲生氏の文章は平易で読みやすく、内容も充実している。ただ、定価7560円という価格設定はいかにも高く、兼常清佐という一般には余り馴染みのない人物の伝記を読むためにこの値段で購入する人がどれだけ居るのかな、と率直に感じた。たまたま図書館にあったので借りて読んだが、そうでなかったら多分読むことはなかったように思う。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 1 - 1 of 1 items