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渡辺裕

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サウンドとメディアの文化資源学 境界線上の音楽

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    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  21/March/2014

    メディアと「音楽」の関係を論じた、大変に興味深い論考をまとめた書物であります。個人的には「V 境界線上のレコード・メディア」が面白かったですね。レコードというとついつい初めから音楽のためのものと思ってしまいがちですが、実はそんなことは全然ないという事実に驚きます。そのことは「総論」のフォノートグラフやエジソンに関する記述においてすでに触れられていますが(51〜55ページ)、まずそこからして先入観が打ち砕かれます。ソノシート、我が家にもずいぶんとあったなあ。本の形になっているものがあったのも、久しぶりに思い出しましたよ。うちにあったのはアメリカ民謡集とかいうやつだったかな。何とも懐かしい。ほか、全編認識を新たにする内容ばかりで、「U 民謡の文化資源学」も面白い。なお「T」の第2章で扱われているチンドン屋とブラスについては、充分面白いのですけれど素材をもっと入れられたでしょうね。チンドン屋の「広告業」的要素(これが本来の目的だ)はもっと言及していいでしょう。また、ブラスでふと思い出したのは、クストリッツァ監督の映画『アンダーグラウンド』でストーリーに関係なく走り回り吹きまくるバルカン・ブラスの強烈さ。インパクトのあるネタがやや欠けて、ふくらみが少し小さいのが残念です。とはいえ、それは些細な不満。「音楽と芸術」対非「音楽と芸術」、「正調」対「卑俗」、そういった対立において我々が陥りがちな前者への肯定的評価への再考を促す、刺激的な主張は大変に魅力的であります。総じて、視点の珍しさ、事実の意外さ、において大変興味深く面白い本でありました。お薦めであります。

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