"Zehetmair Quartet -Beethoven String Quartet No.16, Bruckner Quartet, Hartmann Quartet No.2, Holliger Quartet No.2 (2CD)"
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ココパナ | 北海道 | 不明 | 07/July/2021
収録された4作品中、名曲として知られているのはベートーヴェンの作品のみで、他の3作品は、ほとんど聴かれる機会がないだろう。ホリガーの作品はツェートマイヤー四重奏団のために新たに書かれたものである。4曲いずれも緊張感と美しいタッチに貫かれた演奏だが、中でも私が注目したいのがブルックナーの作品だ。ブルックナーの室内楽と言えば、第5交響曲作曲後に書かれた弦楽五重奏曲が名作として名高いが、この弦楽四重奏曲が書かれた1962年と言う時期は、ブルックナーがまだ初期の交響曲も手掛けていない頃であり、大規模な楽曲を書くための作曲理論等を学んでいるときの作品ということになる。この弦楽四重奏曲も、習作的なものと考えられていて、録音も少ない。しかし、この演奏を聴くと、この作品を習作として追いやってしまうのは、あまりにもったいないと実感する。確かに、そこには後年のブルックナーらしさはない。主題の簡潔さは古典的だし、その後の展開の手法もきわめてコンパクトだ。おそらく、作曲者名を伏せて聴かされたら、メンデルスゾーンか、あるいは彼と同時代の作風の印象を受けるだろう。その一方でブルックナー的な素朴さ、朴訥さが内在していて、とても魅力に溢れているのだ。この楽曲を聴くと、ブルックナーの作曲の動機付けである純音楽主義は、初期ロマン派の中でも最も古典に近いものであったということが良くわかる。とくに充実した終楽章は見事で、現在の演奏会のレパートリーに加わっても、なんら聴き劣りするところのない立派な作品であることを実感する。そして、そういったこの曲の魅力を余すことなく伝えた当演奏は、間違いなく名演と言って良い。ハルトマンについては、彼らは2001年に弦楽四重奏曲第1番の録音をしているため、その翌年に録音された当盤の第2番は、その続編といった位置づけも出来るだろう。この第2番は、ハルトマンの現代とロマン派の中間を漂うような折衷主義的な作風と、作曲当時の、戦争などを引きずったヨーロッパの暗い影を反映した作品と感じられる。時々生々しい情感を宿した楽器の素の音が切り込んでくるような音楽だ。ロンドン・タイムズ紙で、批評家ジェフ・ブラウン氏が “ビロード・タッチ” と形容した、柔らかい深みを併せ持った特有のコクを感じさせるツェートマイヤー四重奏団の響きによって、得難い奥深さが獲得されていると思う。ベートーヴェンの最後の弦楽四重奏曲では、第3楽章の美しさが無類で、適度な行間を設けることで、思索的な高貴さが引き出されているところが最大の美点に思う。ホリガーの作品は24分で間断なく演奏されるが、聴く側に忍耐を要求するものとなるかもしれない。リゲティを彷彿とさせる絶え間のない緊迫と、耳に厳しい不協和な音響が連続する。奏者らの集中力には舌を巻く思いだが、聴いていて楽しい音楽ではないだろう。私も、この音楽を聴くのには覚悟を要する。1 people agree with this review
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