Symphony No.3 : Inbal / Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra (2012)(2SACD)(Hybrid)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 31/August/2013
2番までは非常に冷徹、クールな振り方だった(特に2番は指揮のジェスチュアも抑え目で、体調が悪いのではないかと心配になるほどだった)インバルも、ナマの印象ではこの3番から一気に爆演モード。しかし、視覚的印象を外してCDで音だけ聴いてみると、基本的にはこれまでのクール、冷徹路線とあまり違わないようだ。確かに第1楽章展開部後半の畳みかけ方などは凄いし、ミクロな部分でのメリハリの付け方は堂に入ったものだが、全体としては速いテンポで非常に凝集力の強い、引き締まった演奏。3番は交響曲としては相当に破格な、悪く言えば組曲に近いような奔放な作品だが、インバルの指揮はこれを立派な交響曲として聴かせてしまう、と言えば分かりやすいだろうか。前回、2010年の録音は多少粗いところはあってもライヴの感興を生かそうというやや爆演寄りのアプローチだったのに対し、今回はより精度が高く、スクウェアな演奏だ。終楽章冒頭のアダージョ主題なども「情念」をのせるというよりは、ポリフォニックな対位旋律が克明に表出されて、むしろベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲のような器楽的なアプローチがされている。ちなみに、管楽器の難所山盛りの曲ゆえ、さしもの都響もナマでは無傷とはいかなかったが、CDでは明らかな傷はきれいに修正されている。文句なしに世界的水準の高橋敦のポストホルン・ソロ以下、オケは素晴らしい出来ばえ。ただし私が3番にどうしても求めたい「アナーキーさ」と「開放感(のびやかさ)」がどちらも全く満たされないことから、残念ながら私にとっては徹頭徹尾、相性の悪い演奏ではある。1 people agree with this review
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