Sym, 8, 9, : G.wand / Bpo
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 26/March/2011
ヴァントが、その最晩年にベルリン・フィルとともに成し遂げたブルックナーの一連の交響曲の演奏は、歴史的とも言うべき至高の超名演であった。この黄金コンビによるブルックナー以外の作曲家による楽曲の演奏で、唯一録音が遺されているのが、本盤におさめられたシューベルトの「未完成」と「ザ・グレイト」である。いずれも、ブルックナーの各交響曲と同様に、素晴らしい至高の名演と高く評価したい。なお、ヴァントは、ミュンヘン・フィルとともに、これら両曲の演奏を同時期に行っているが、オーケストラの音色に若干の違いがある以外は同格の名演と言えるところであり、両演奏の比較は聴き手の好みの問題と言えるのかもしれない。シューベルトの交響曲、とりわけ「未完成」と「ザ・グレイト」は演奏が難しい交響曲であると言える。最近音楽之友社から発売された名曲名盤300選において、これら両曲については絶対的な名盤が存在せず、各評論家の評価が非常にばらけているという点が、そうした演奏の難しさを如実に物語っていると考えられる。その理由はいくつか考えられるが、シューベルトの音楽をどう捉えるのかについて未だに正解がない、確立した見解が存在しないということに起因しているのではないだろうか。いずれにしても、シューベルトの「未完成」と「ザ・グレイト」は懐が深い交響曲と言えるのは間違いがないところだ。私見であるが、これまでの様々な演奏に鑑みて、シューベルトをどう捉えるのかについての見解をおおざっぱに分けると、@ウィーンの抒情的作曲家、A@に加え、人生の寂寥感や絶望感を描出した大作曲家、Bベートーヴェンの後継者、Cブルックナーの先駆者の4つに分類できるのではないかと考えている(いくつかの要素を兼ね備えた演奏が存在しているということは言うまでもない。)。「未完成」や「ザ・グレイト」の演奏に限ってみると、@の代表はワルター&コロンビア交響楽団盤(1958年)、Aの代表は、「未完成」しか録音がないが、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル盤(1978年(あるいは来日時の1977年盤))、Bの代表は、「ザ・グレイト」において顕著であるがフルトヴェングラー&ベルリン・フィル盤(1942年)であると考えており、Cに該当するのが、まさしく本盤におさめられたヴァント&ベルリン・フィル盤であると考える。ヴァントのこれら両曲へのアプローチは、ブルックナーの交響曲に対して行ったのと基本的に同様のものだ。眼光紙背に徹した厳格なスコアリーディングに基づく緻密で凝縮化された表現には凄みがあり、全体の造型はきわめて堅固なものだ。したがって、ウィーン風の抒情的な表現にはいささか欠けるきらいがあり、前述のワルター盤の持つ美しさは望むべくもないが、シューベルトの音楽の心底にある人生の寂寥感や絶望感の描出にはいささかの不足はないと言えるのではないか。特に、「未完成」の第1主題は、ワインガルトナーが地下の底からのようにと評したが、ヴァントの演奏は、特に中間部においてこの主題を低弦を軋むように演奏させ、シューベルトの心底にある寂寥感や絶望感をより一層強調させるかのような凄みのある表現をしているのが素晴らしい。ヴァントは、2000年の来日時のコンサートにおいて「未完成」を演奏しており、とりわけ当該箇所の表現には心胆寒からしめるものが感じられたが、本盤においても、それとほぼ同等の表現を聴くことができるのはうれしい限りだ。録音は、ブルックナーの一連の演奏とは異なり、いまだSACD化されていないが、音質はなかなかに鮮明であり、更にSHM−CD化によって若干の音質の向上効果が見られるのも大いに歓迎したい。7 people agree with this review
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no music,no life | Nara | 不明 | 10/August/2007
9番は何度リピートで聴いても飽きない稀有な演奏。放射される音圧と輝かしい音色、絶妙にがっちりと組みあがった微動だにしない。聴いているだけでその音楽美に打たれてしまう各奏者の匠の技、謳いまわし!BPOとしても珍しく全くうるささを感じさせないのは、それだけ演奏者の気持ちが一つになり充実のアンサンブルを楽しんでいる証拠。未完成は淡々とした流れだが、出だしの低弦からまるで異次元空間へ引きずり込まれるような深遠さ。中間部の最後の審判のような凄まじさ。それだけに第2楽章の天国の花園のような美しさが際立って心に沁みる。6 people agree with this review
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ぷーすか | 東京 | 不明 | 14/April/2003
未完成については、後年の来日盤の方が遥かに素晴らしいのでそちらを採るべきでしょう。<ザ・グレイト>はいま少し抒情性が欲しい気がしなくもないですが、ヴァントの譜読みの深さが随所に、しかも恣意的でなく自然な形で表出する様は驚嘆です。素晴らしい!0 people agree with this review
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