Complete Symphonies : Minkowski / Le Musiciens du Louvre (4CD)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 03/November/2012
第6番までの6曲と『未完成』の間には大きな断絶があることを改めて思い知らされる。それがまさしく全集として聴くことの妙味。第6番まではきびきびしたテンポ、鋭いアクセントで典型的なピリオド楽器オケらしい演奏。しかもブリュッヘン、インマゼールら先行するピリオド派全集と比べても、音色に対するセンスの鋭敏さ(シューベルト得意のかなり唐突な転調が実に映える)、初期ロマン派の音楽には欠かせないリズムの弾み(ドイツ語で言うSchwung)、この2点でさらに凌いでいる。しかし『未完成』第1楽章になると、アクセントの鋭い打ち込みは変わらないが(これはベーレンライター版の特徴でもある)、テンポはむしろ遅めで深沈たる味わいがある。『大ハ長調』になると管楽器は3管編成にして、もはや古典派の交響曲ではなく、ブルックナーやマーラーにつながる大交響曲というアプローチだ。第1楽章冒頭のホルンの主題など、たっぷりしたテンポだし、第1楽章主部もさほど速くならない。そして第1楽章末尾の序奏主題の回帰は、フルトヴェングラーやヴァントのように、完全にテンポをアンダンテに戻して終わる。つまり、フルトヴェングラーのようなロマンティックな解釈とピリオド・スタイル、両方の「いいとこ取り」を狙った実に興味深いアプローチ。悪くすればどちらも中途半端になりかねないところだが、私はかなりのところまで満足した。終楽章最後の音ももちろんディミヌエンドではなく、短く強いアクセント。6 people agree with this review
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