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  • ★★★★☆ 

    :  |  東京都  |  不明  |  22/September/2012

    '12年発表。噺家の姿か?ジャケットは。落語で語られるような、何気ない日常にあるおかしみや面白み、そこで繰り返される諸行の無常は、たしかに本作と通じるものがある。かつてのZAZEN BOYSはもう少し虚無感を見せていた印象があるが、4年ぶりの新作では余白というか、遊びの部分がやや広がっている。 リフを軸にしながら広がる硬質な音像。そのココロは緊張感を抽出したファンクであり、冗長さを排したプログレであり。ツェッペンも時々顔を見せるし、練り込まれたアンサンブルはマスロック的でもある。このワザこそがまた高度な落語のようであり、修練のイメージも重なる、が…風通しが以前よりいいような。歌詞にしても、たとえばDあたりは、意味が深そうで実はさほどでもなさそう、みたいな感触を覚えたりする。 とはいえ、日本のロック界でさらに孤高の域に入りつつあることも感じる。もっとも向井秀徳にはそれが似合っているか。思えばナンバーガールの解散からもう10年。厳粛さとせつなさ、ユーモアとペーソスを袖の中に入れて生きる男の後ろ姿が見える。

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