Symphony No.3 : Schuricht / Vienna Philharmonic (Single Layer)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 10/November/2012
本盤には、シューリヒトが晩年にウィーン・フィルとともにスタジオ録音を行ったブルックナーの3曲の交響曲のうち第3番がおさめられているが(他は、第8番及び第9番)、久しぶりの発売であるとともに、待望のシングルレイヤーによるSACD化と言えるだろう。というのも、第8番や第9番がシューリヒトの、引いてはそれぞれ両曲の演奏史上でも特筆すべき名演だけに、いささか影が薄い存在であるということもその理由に掲げられると言えるのかもしれない。シューリヒトの死の2年前の録音ということもあり、第8番や第9番と比較すると、シューリヒトの統率力にいささか衰えが見られることに加えて、当時は一般的であった改訂版の使用も相まって、大方の音楽評論家があまり芳しい評価をして来なかったという側面も否定できない。しかしながら、果たして、そうした低評価だけで片付けられるような演奏と言えるのであろうか。確かに、早めのテンポで燃え盛るようなドラマティックな生命力溢れる力演を聴かせてくれた第8番や、深沈たる彫の深い表現を聴かせてくれた第9番の演奏と比較すると、いささか統率力が弱まり(ブラスセクションが荒削りになっている点において顕著)や彫の深さに欠けた演奏とも言えるが、それでも巨匠シューリヒトならではの至芸は随所に表れているのではないかと考えられる。演奏全体の引き締まった造型美には殆ど問題はないし、淡々と流れていく曲想の端々には、独特の奥深い情感が込められているのは、シューリヒトならではの指揮芸術の賜物と言えるところであり、死の2年前ということもあり、それはあたかも人生の辛酸をなめ尽くした巨匠の至純・至高の境地と言っても過言ではあるまい。そして、本演奏の魅力は、何と言ってもウィーン・フィルによる美演であると言える。ウィーン・フィルはシューリヒトを崇敬していたとのことであるが、本演奏でも崇敬するシューリヒトを指揮台に頂き、渾身の名演奏を繰り広げている点を高く評価したい。いずれにしても、本演奏は、シューリヒトのベストフォームにある演奏ではないことについては否定しないが、ウィーン・フィルの好パフォーマンスも相まって、シューリヒトの最晩年の清澄な境地が表れた素晴らしい名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。音質は、手元に第8番及び第9番と組み合わさったセット盤を所有しているが、当該従来CD盤が今一つ冴えない音質でやや問題があったと言える。第8番や第9番がHQCD化、ついでハイブリッドSACD化され、圧倒的な超高音質に生まれ変わったにもかかわらず、本演奏についてはHQCD化すら図られないのは実に不思議な気がしていたところだ。ところが、今般、シングルレイヤーによるSACD盤が発売されるに及んで大変驚いた。音質の鮮明さ、音圧、音場の幅広さのどれをとっても、従来CD盤とは段違いの素晴らしさであり、あらためて本演奏の魅力を窺い知ることが可能になるとともに、SACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。いずれにしても、シューリヒトによる素晴らしい名演を超高音質のシングルレイヤーによるSACD盤で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。4 people agree with this review
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