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Beethoven (1770-1827)

SACD Symphony No.4, Egmont : Klemperer / Philharmonia, Nillson(S)(Single Layer)

Symphony No.4, Egmont : Klemperer / Philharmonia, Nillson(S)(Single Layer)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  08/October/2012

    クラシック音楽ファンにとって、クレンペラーによるベートーヴェンの交響曲全集がシングルレイヤーによるSACD盤で発売されるというのは、大変喜ばしいことであるが、本盤にはその第4弾として、交響曲第4番と劇音楽「エグモント」から序曲ほかの抜粋がおさめられている。EMIは、過去の名演を100種選定して、昨年末からSACD化して発売しているが、今般のシングルレイヤーによるSACD化に際しても同様に、LP時代のカプリングやジャケットにも強いこだわりを有しており、それ故に本盤の収録曲としてはいささか物足りないCDとなっているものと思われる(とは言っても、交響曲第4番のみを収録した昨年発売されたクライバー&バイエルン国立管弦楽団によるSACD盤よりは少しましと言えるが)。価格面も含め、そうした不満は否めないが、演奏自体はクレンペラーならではの圧倒的な名演に仕上がっていると高く評価したい。近年においては、ベートーヴェンの交響曲演奏は、ピリオド楽器やピリオド奏法による演奏が一般化しているが、本演奏は、そうした近年の傾向とは真逆の伝統的な、ドイツ正統派によるものと言えるだろう。加えて、ベートーヴェンの交響曲第4番の旧スタイルの名演としては、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによる名演(1973年)や、前述のクライバーによる名演(1982年)など、早めのテンポによる颯爽とした様相の演奏が高く評価されているが、本盤のクレンペラーによる演奏は、そうした名演とも一線を画していると言える。悠揚迫らぬゆったりとしたテンポによる演奏は、あたりを振り払うかのような威容に持ち溢れており、ベートーヴェンがスコアに記した音符の一つ一つを徹底的に鳴らし切りるなど、あたかも巨象が進軍するかのような重量感に満ち溢れていると言える。テンポの振幅は必要最小限に抑えるなど、小賢しいアプローチとは無縁であるが、それでいて木管楽器を効果的に活かすなど格調の高さを損なわない範囲において随所にスパイスを利かせるなど、必ずしもウドの大木のような演奏にはいささかも陥っていない。ベートーヴェンの交響曲の一般的な演奏スタイルとして、偶数番の交響曲は柔和に行うとの考えも一部にあるが、クレンペラーにはそのような考えは薬にしたくもなく、前後に高峰として聳え立つエロイカや第5番などに行うようなアプローチで交響曲第4番の演奏に臨むことによって、同曲をスケール雄大な大交響曲に構築していった点を高く評価すべきであろう。クレンペラーの確かな統率の下、フィルハーモニア管弦楽団もしっかりと付いていき、ドイツ風の重厚な音色を出すなど、最高のパフォーマンスを発揮していることも高く評価すべきものと考える。いずれにしても、本演奏は、クレンペラーの巨大な芸術の凄さを十二分に満喫することが可能な素晴らしい名演と高く評価したいと考える。併録の劇音楽「エグモント」からの抜粋についても、往年の大歌手ビルギット・ニルソンの名唱も相まって、交響曲第4番と同様に、クレンペラーのスケール雄大な音楽づくりを味わうことができる素晴らしい名演だ。音質は、1957年のスタジオ録音であるが、従来CD盤でも、そして数年前に発売されたHQCD盤でも、比較的満足できるものであった。ところが、前述のように、今般、待望のシングルレイヤーによるSACD化がなされるに及んで、圧倒的な高音質に生まれ変わったと言える。音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても素晴らしい仕上がりであると言えるところであり、あらためてシングルレイヤーによるSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。いずれにしても、クレンペラーによる素晴らしい名演を高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

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