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Elgar (1857-1934)

CD "Symphony No.2, Cockaigne : Georg Solti / London Philharmonic"

"Symphony No.2, Cockaigne : Georg Solti / London Philharmonic"

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  23/September/2012

    広範なレパートリーを誇ったショルティであるが、英国王室から「サー」の称号を得ただけに、英国音楽、特にエルガーの楽曲を得意としていたことについては意外にもあまり知られていない。2つの交響曲や行進曲「威風堂々」、チェロ協奏曲、エニグマ変奏曲、その他の管弦楽曲など多岐に渡っている。ショルティと同様に数多くのレコーディングを遺した先輩格のカラヤンは、エルガーの楽曲を殆ど録音しなかったし、後輩のバーンスタインもエニグマ変奏曲と行進曲「威風堂々」の一部のみの録音にとどまっている。そして、ハンガリー系の指揮者のライナーやオーマンディ、セルなどの録音歴などを考慮に入れても、ショルティのエルガーへの傾倒ぶりがよく理解できるところだ。本盤には、エルガーの交響曲第2番及び序曲「コケイン」がおさめられているが、いずれもエルガーを得意としたショルティならではの素晴らしい名演と高く評価したいと考える。オーケストラは、他のエルガーの楽曲の場合と同様に、シカゴ交響楽団ではなく、ロンドン・フィルを起用しているが、楽曲によってオーケストラを使い分けるというショルティなりの考え方によるものではないかとも思われる。交響曲第2番におけるショルティのアプローチは、例によって強靭なリズム感とメリハリの明瞭さを全面に打ち出したものであり、その鋭角的な指揮ぶりからも明らかなように、どこをとっても曖昧な箇所がなく、明瞭で光彩陸離たる音響に満たされていると言えるところだ。したがって、同曲に、英国の詩情に満ち溢れた美しさを期待する聴き手にはいささか不満が残る演奏と言えるかもしれないが、絶対音楽としての交響曲ならでは堅牢な造型美、そして広範なダイナミックレンジを駆使したスケールの雄大さにおいては、他の英国系の指揮者による演奏においては決して味わうことができない独特の魅力を有しているとも言えるところであり、他の演奏とは異なったアプローチにより、同曲の知られざる魅力を引き出すことに成功した名演と評価してもいいのではないだろうか。特に、一部のトゥッティの箇所において、これはロンドン・フィルの必ずしも一流とは言い難い技量にも起因しているとは思われるが、いささか力づくの強引さが感じられるきらいもないわけではないが、緩徐楽章においては、ショルティなりに情感豊かに歌い抜いており、演奏全体としては十分に剛柔のバランスがとれているのではないかと考えられる。ショルティの統率の下、必ずしも一流とは言い難いロンドン・フィルも、随所に粗さは感じさせられるが、演奏全体としては十分に健闘していると言えるところであり、持ち得る実力を存分に発揮した好パフォーマンスを発揮していると評価したい。併録の序曲「コケイン」は、いかにもショルティ向きの作品だけに、正に水を得た魚のように生き生きとした躍動感あふれる素晴らしい名演だ。音質も英デッカによる極めて優秀なものであり、ルビジウム・クロック・カッティングによって更に鮮明さが増したと言えるところだ。もっとも、ショルティによる素晴らしい名演であり、今後は、可能であれば、交響曲第1番も含め、シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤で発売して欲しいと思っている聴き手は私だけではあるまい。

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