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Wagner (1813-1883)

DVD "Lohengrin : Neuenfels, Nelsons / Bayreuther Festspielhaus, K.F.Vogt, Dasch, Zeppenfeld, etc (2011 Stereo)(2DVD)"

"Lohengrin : Neuenfels, Nelsons / Bayreuther Festspielhaus, K.F.Vogt, Dasch, Zeppenfeld, etc (2011 Stereo)(2DVD)"

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  • ★★★★☆ 

    eroicka  |  不明  |  不明  |  08/July/2012

    バイロイトでは演出の前のパッパーノ指揮のプロダクションより、音楽的に見て優れていると思う。精緻で流麗なだけでないアンドリスの劇的変化に富んだ表現が光る。アンサンブルも引き締まりただ者ではない才気が漂う。出演は若手中堅の歌手陣だが、アンネッテ・ダッシュのエルザが出色。いわゆるヘルデンらしさのなさで好みの分かれるK.F.フォークトも最近はローエングリンが十八番となりつつある。ケント・ナガノとの共演DVDなどに比べれば、ここ数年で声質に重みとふくよかな広がりが出てきて、かつてに比べこの役柄への違和感は薄れてきている。あともう少し年輪を重ね声が太くなると、故ペーター・ホフマンのようなリリックなまろやかさと凛とした輝きを兼ね備えた現代的ヘルデンテノールに熟成するのでは、と勝手に期待するところである。どこかで彼を強く指弾したが、この成長振りをみると、不明であったと思う。国王とオルトルートは物足りない。新体制になり斬新な舞台が話題に上っている中で、この演出はかなり刺激的だ。BSで見て、大胆さの裏に隠れた意図に感心もして最初は面白いと思ったが、劇が進むにつれて、わずらわしさと後味の悪さに腹も立った。もともとメタファや異化に富んだ前衛的な演出が多いので、あまり驚きはないのだが、少なくともオペラ演出は音楽の邪魔にならない節度を持ってほしいと強く思った。何も考えず管理された大衆=鼠、「後継者」の王子=デフォルメされた胎児=救いの無い悲劇性…と自分なりに考えながら見るのは勿論一つの楽しみではあるが、今回の演出に関して言えば、それがいささかわずらわしいと思えるほど饒舌すぎるのである。特に群集の一人が台本にない奇声を上げて音楽の邪魔をするというのは、(ノイエンフェルスにしてはまだ大人しいのだろうが)必然性の低く節度を欠いた演出で、ワーグナーのオペラを見ているのかノイエンフェルスの現代的の舞台をみているのか分からなくなる瞬間が多かった。コンヴィチュニーやウォーナーでもこう押し付けがましく饒舌ではない。小生は保守的なのかも知れない。しかし、悪い例えで恐縮だが、「古代ギリシャ美術展」という名の展覧会で、古代ギリシャ出土の彫刻のトルソーに、マネキン人形の手足をくっつけ肌色や赤や青のペイントをして美術館で「これがギリシャ彫刻です」と展示するような所業は控えるべきではないのかと思う。それが「現代アート展」と銘打ったものなら誰しも許すだろうが、このような過激な歌劇演出がヨーロッパでは流行し、どんどん先鋭化している。例えば有名なP.シェローのバイロイトの「指輪」をはじめ最近の「サムソンとデリラ」や「ジュリアスシーザー」の舞台では、現代の国際政治に置き換える演出のものがあり、作品の読み替えで新たな生命を作品に吹き込む行為ではあるし、物議を醸すコンヴィチュニーやウォーナーにしても演劇手法やメタファー、異化へのこだわりは音楽の邪魔にならない一定の節度はみられる。演出家なり作品が観客を選ぶ意識は当然あってよいのだが、このノイエンフェルスの演出は、「ローエングリン」にしても「こうもり」(これは喜歌劇とはいえ作品の冒涜に等しい悪質な改竄だと小生は思う)にしても、演劇美の追求のために音楽美を犠牲にした部分を感じるのは否めず、オペラの舞台芸術という側面では本末転倒の感がある。もはや演出家の素材としてのオペラというべきか。そうした楽しみ方を小生も否定はしないが、音楽とのバランスをどう保つかという視点は忘れないでほしいと個人的には思う。そうした過激なオペラ演出のいまを考えるには良い素材で、そういう意味からも一見を勧める。この演出の斬新な世界観に入り込めたら「こうもり」も買い是非観ることをお勧めする。もしどうしても気に入らなければ、テレビモニターを消すなり映像コードを抜くなりして音だけ楽しめば良いのである。少なくとも演奏は質が高いのだから。昔、バイロイトは小生にとっては聖地で、子供の時から、いつか歳をとったら、小林秀雄も行った祝祭劇場の切符を取りたいと思って生きつづけてきたが、こういう饒舌すぎる演出と、指揮者や歌手の小粒化を考えると、もはやこれからは、往年のライヴ盤とネットラジオ中継か年末のFM放送で十分だなと思うようになった。世代交代して神々も黄昏てしまったのだ。新演出のDVDも良いが、我々保守的ファンとしては、むしろ60年代〜80年代の音源のCD化を切望したい。

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