String Quartets Nos.13, 14, 15 : Artemis Quartet (2CD)
Showing 1 - 4 of 4 items
-
うーつん | 東京都 | 不明 | 26/May/2013
生々しい演奏だ。ABQの師事を受けたカルテットということだが師のコピーにとどまることなく独自に発展していきそうな勢いを感じた。 4人の奏者が揃って前に切り込んでくるような音と雰囲気をもっている。同曲はABQ盤でよく聴いてきた。G.ピヒラーの美しい音が、シューベルトの恐ろしい空気を和らげてくれたり、または「これは夢だった」と思わせてくれたりしている・・・と感じたものだ。さらに逆に美しすぎてよけい凄味(D810やD887の第2楽章など)が増すこともあり、そこが好きな点だった。 アルテミスSQにはその美しさはない。4人そろってシューベルトの恐ろしさを美音のフィルターへ通さずに表現しているような感じがする。ウィーン的なロマンはあまり感じないが、何度も聴いていきたいCDだ。2 people agree with this review
-
tanobu | 兵庫県 | 不明 | 09/May/2013
「死と乙女」なんと鋭角的な解釈だろう。劇的ではあるが続けて聴くのは疲れる。若いプロの演奏はすごい。もっとものんびりゆったりとやる曲じゃないが。録音もオンマイクで弦の音が生々しく圧倒される。これは人様々、私としてはOK。その点ロザムンデはゆったりした曲でありかえってこのような解釈はよい。期待の15番はもっと聴きこんでみたい。0 people agree with this review
-
村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 15/July/2012
アルバン・ベルクSQの演奏はきわめて攻撃的でシャープだが、ギュンター・ピヒラーのいかにもウィーン的な甘い音色が絶妙な緩衝材になっていた。アルテミスの場合、そうしたウィーン風味がない分(意図的に排除しているのだろう)、演奏の印象は一段とハードだ。『死と乙女』など甘さがないわけではないが、べとべとする砂糖の甘さではなく、人工甘味料使用のゼロカロリー飲料のよう。しかし、これは必ずしも否定的な比喩ではなく、一気呵成の終楽章など実にスリリングだ。最も良いのはやはり第15番で、この曲に関してはアルテミス、ベルチャ、クスなど後続世代が完全にアルバン・ベルクに勝っている。一見、「天国的に長い」能天気な曲にも見えるが、実はこの曲は大変な傑作ではないかと以前から思っていた。アルテミスの演奏もまさにそのイメージ通りで、長大な第1楽章がきわめてポリフォニックな音楽に聞こえるし、第2楽章の中間部や終楽章などにも凄まじい緊張がみなぎっている。もはや決して第1ヴァイオリン主導ではない、4楽器対等の現代的なクワルテットならではの演奏。3 people agree with this review
-
manmansaru | 神奈川県 | 不明 | 11/June/2012
15番はその長さゆえに組み合わせが難しいのですが、シューベルトの長くはない人生の晩年を追体験するにはよいセットだと思い、ポチッとしました。 一聴して生硬とのイメージを持ちましたが(生硬には未成熟との意味もあるようなので適切ではありませんが・・・)、ABG の変幻自在、名も知らぬ四重奏団のふくよかさとは一味違う充足感を味わえると思います。(演奏時間はこの三者のなかでは一番長いです。) EMI Virgin なので録音はあまり期待しないほうがよいかもしれません。 なにやら ABG がアルテミスにレッスンしている映像もあるそうな。(このCDセットではありませんよ!)1 people agree with this review
Showing 1 - 4 of 4 items