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Rachmaninov, Sergei (1873-1943)

SACD Piano Concerto No.3 (1963), Piano Sonata No.2 (1977): Ashkenazy(P)Fistoulari / London Symphony Orchestra (Single Layer)

Piano Concerto No.3 (1963), Piano Sonata No.2 (1977): Ashkenazy(P)Fistoulari / London Symphony Orchestra (Single Layer)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  04/August/2012

    アシュケナージについては、とある高名な音楽評論家による悪意さえ感じさせる罵詈雑言によって不当に貶められているが、ラフマニノフの演奏については、指揮者としてもピアノストとしても、他の追随を許さないような素晴らしい名演の数々を成し遂げてきていると言えるところだ。同じくロシア人であるということに加えて、旧ソヴィエト連邦からの亡命を図ったという同じような境遇が、アシュケナージのラフマニノフに対する深い共感に繋がっていると言えるのかもしれない。アシュケナージは、ピアノ協奏曲史上最高の難曲とも称されるピアノ協奏曲第3番を4度にわたってスタジオ録音している。本盤の1963年の演奏は、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した翌年のデビューしたばかりの頃のものであるが、その後は、プレヴィン&ロンドン交響楽団とともに行ったスタジオ録音(1971年)、オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団とともに行ったスタジオ録音(1975年)、そしてハイティンク&コンセルトヘボウ・アムステルダムとのスタジオ録音(1984年)と続いているところだ。いずれ劣らぬ名演であるが、この中で、畳み掛けるような気迫と強靭な生命力を有した演奏は、本盤の最初の録音であると考えられるところだ。前述のように、チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、飛ぶ鳥落とす勢いであったアシュケナージの好調ぶりを窺い知ることが可能な演奏とも言えるところであり、そのなりふり構わぬ音楽の進め方には、現在の円熟のアシュケナージには考えられないような、凄まじいまでの迫力を感じさせると言える。オーケストラは、チャイコフスキーのバレエ音楽の名演で名高いフィストゥラーリの指揮によるロンドン交響楽団であるが、若きアシュケナージのピアノ演奏をしっかりと下支えするとともに、同曲の有するロシア風のメランコリックな抒情を情感豊かに表現しているのが素晴らしい。併録のラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番は、ラフマニノフを得意としたアシュケナージとしては意外にも唯一の録音であるが、ピアノ協奏曲第3番と同様に、演奏の根源的な迫力や畳み掛けていくような気迫、強靭な生命力などにおいて見事な演奏に仕上がっており、グリモーなどによる名演も他には存在しているが、本演奏を同曲の最高の名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。本盤の演奏は、いずれもアナログ期の録音ではあるが、さすがは英デッカとも言うべき極めて鮮明で極上の高音質を誇っていると言える。そして、今般、ついに待望のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化がなされることによって、これ以上は求め得ないような圧倒的な高音質に進化したところだ。音質の鮮明さ、音圧、音場の拡がりのいずれをとっても圧倒的であり、とりわけアシュケナージのピアノタッチが鮮明に再現されるのは殆ど驚異的であるとさえ言える。いずれにしても、アシュケナージ、そしてフィストゥラーリ&ロンドン交響楽団による素晴らしい名演を、シングルレイヤーによるSACD&SHM−CDという現在求め得る最高の音質で味わうことができることを大いに喜びたい。

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