Tchaikovsky / Prokofiev

CD Sym.5 / 1: Maazel / Cleveland.o

Sym.5 / 1: Maazel / Cleveland.o

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    shef  |  栃木県  |  不明  |  10/May/2012

    ソリッドで求心力が全体を貫く、なかなか聴き応えのある演奏。クリーブランド時代、マゼールはかなり録音を残している。そしてスタイルが共通している。客観的で、ちょっと作品から距離を置き、冷徹な眼差しで見つめているような。4〜6番をCDを持っているが、熱い、ロシア的なロマンチシズ、うねるような、あるいは感情の爆発はない。スコアを微分し、ゴチック建築の大伽藍ように再構築した演奏スタイル。マゼールが試みているのは、セルが残した名器クリーブランド菅の高機動性を最大限に発揮した演奏なのだろう。感情ではなく、スコアに書かれた音そのものを厳密に再生することで、どこまで感情に迫られるか・・・そんな実験のようにも見えてくる。ここにあるのは、ダヴィンチのような正確無比なスケッチであり、ミケランジェリのようなマニエリスムの世界だと思う。たしかに表面的には冷徹で、音楽にタメがなく、既成概念的なチャイコフスキーとしては淡白で面白くないと感じられるかもしれない。実際、6番など、こんなにあっさりしていては「まるで鶏のささみ」と感じることもある。 だが、こうした表面的な事象に捉われることなく、彼の音楽に耳を傾けると、底流にはマグマのようなパッションが隠れている。 それをあからさまにしない美学もある、それをマゼールは表現しているのかもしれない。 個人的にはとても好きな演奏。 シノポリの5番の対極にあるような演奏だ。

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