Schoenberg, Arnold (1874-1951)
Chamber Symphony, 1, Suite: Sieghart / Wiener Concert-verein
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伊奈八 | 茨城県 | 不明 | 17/August/2021
ウィーン情緒が豊かに薫るシェーンベルク作品集だ。7楽器のための組曲op.29と、室内交響曲第1番op.9と、シェーンベルク編曲の「皇帝円舞曲」が収められている。購入して最初に聴いた時には、ガチャガチャしていて上手くない演奏という印象で「失敗した」と思ったが、再生音の向上に伴い、演奏の良さが分かってきて、今では好きなディスクとなっている。 7楽器のための組曲op.29は、シェーンベルクの12音技法時代の作品の中で、一番明るく、楽しい作品であろう。しかし、12音技法の旋律は多くの人にとって耳慣れないものだし、鳥や獣がキャッキャと鳴き騒ぐような独特の音世界なので、すべての人にとって親しみ易いとは言えない。 それを踏まえても、ジークハルト指揮のウィーン・コンサート=フェラインの演奏から立ち上る、ウィーン的な情緒はとても魅力的だ。 例えば第一楽章では、最初の元気な部分が過ぎてテンポがぐっと落ちると、何とも言えないメランコリックな情緒が溢れてくる。これはシェーンベルクが弦楽四重奏曲第2番で引用した「愛しのアウグスティン」にも通じる、人生に対する諦念と慰めの歌だ。他の多くの演奏では元気さの方が前面に出るが、この演奏では優しさのほうが勝るのである。これは他の楽章でも共通だ。 室内交響曲第1番op.9は、シェーンベルクの全作品中でも大傑作で、感動的な作品だ。優れた演奏のディスクも多いが、この演奏ほどウィーン的な音色と情感に溢れた演奏も珍しい。私は聴いていて、新しい文化と古い文化がぶつかり合う、1906年当時の、爛熟と退廃と喧騒のウィーンにタイムスリップする錯覚さえ覚えた。多くの優れた演奏の中でも上位に付ける名演と思う。 シェーンベルク編曲の「皇帝円舞曲」も素晴らしい。何ともウィーン的で楽しくて、プラーター公園のメリーゴーランドや観覧車に乗っている気持ちになった。ラストは、楽しい一日の黄昏の風景に、感動の涙さえ出た。 シェーンベルクがウィーンの人であることを、実感させてくれたディスクだった。 なお、音質は透明でリアル。再生側の弱点を暴いてくる程の優秀録音だ。CD再生は難しさもあるので、アナログも聴く人にはLPレコードもあるから、そちらの方もお奨めだ。0 people agree with this review
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