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Beethoven (1770-1827)

CD String Quartet, 3, 12, : Petersen Q

String Quartet, 3, 12, : Petersen Q

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    ひのき饅頭  |  愛媛県  |  不明  |  26/August/2010

    ペーターゼンQはドイツ・オーストリア圏でABQを超えたと言われている。これに嘘はない。芸事の世界では、先達と並んで「まだまだだねえ」、超えて初めて「並んだね」と評価される。信用できる人々が「超えている」と指摘する場合、これは完全に凌駕している場合が多い。現在、最高のベートーヴェン後期作品集を聴かせてくれるユニットとして指摘する場合、私ならペーターゼンQとアウリンQを挙げる。個人的にはアウリンQの音楽要求度の高さが好きなのだが、彼らの演奏は、この作品集に娯楽とか感覚的快楽を求めたいと思った人々を必ず戸惑わせるだろう(それほど徹底的に音の意味だけを追求しているユニットで、本当の「万人向けではない」音楽だ)。ペーターゼンQの演奏を聴いてまず驚くのは、その音色。美しい音色だが、ただの美しさではない。曲の世界を表現するために吟味されたベートーヴェンの音。ただし作品18の演奏は、見事だし立派なのだが、様式的に行き過ぎ。余談だが、作品18を18世紀の音様式を現代楽器に翻訳し、それを現代の響きと現代的なアプローチで再現する意味を模索した演奏なら、今ならミロQを薦める。現在のユニットで後期を聴くならペーターゼンQは文句無く推薦できる。大フーガが凄い。6つ目の大演奏としてお薦めだが、まず一押ししたいのが12番。12番は抜群の技術が無ければ聴かせ難い曲。ABQの12番は彼らのベートヴェン演奏のなかでも16番と並ぶ最高の出来だったが、魅力的に聴かそうとして、感覚的音色を選択し、それはそれで魅力的だが、ペーターゼンQはもう一枚上手だ。決して線をおろそかにしない。その立場に立って最善の音色を選択していることがわかる。特に冒頭の和音。独特の不協感を出しながら、うねっているのだが、濁らせない絶妙のバランス。しかも響きが干渉し合う事なく、豊かに響く。この冒頭だけで、この楽団がドイツ・オーストリア圏で屈指の実力を持つ団体であることがわかる。例えばライプチッヒQのような、運動機能は優れているが軽い音捌きではなく、手ごたえがある芯の鳴るような音。しかも重くない。それに十分な響きを与えるが、決して響きすぎない。現代のユニットの持つ最強の技術を聴くことができる。聴かせる音楽としての意味を問うペーターゼンQの凄さを聴きたいなら、案外難しい曲が良いようだ。斬新で個性的、しかも音楽的意味に裏付けられた音出しに支えられた抜群のユニットですね。

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