String Quartets Nos.12, 14 : Smetana Quartet (1970, 71)(Single Layer)
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一人のクラシックオールドファン | 兵庫県 | 不明 | 22/June/2012
本盤演奏について別盤に入れたレビューを繰り返しさせていただきますが本盤は更に東京都の方やHMVレビューにもあります様に高品質盤なので音質が大いに期待されましょう(しかし、CD不振の昨今で普通盤からSACDそしてBlu-spec CDとマーケットを見つつの音質進化の為の戦略に選ばれた「本演奏」には頑張ってもらいたいものですね)。1945〜1989年の長きに渡って弦の国チェコを代表する弦楽四重奏団として活躍したこのスメタナQは我々の世代のクラシック・ファンには正統派アンサンブルとしてその評価は定着したものでありました。このQが活動全盛期である1970年代初めに録音したベートーヴェン弦楽四重奏曲後期作曲グループの内ピックアップで第12番(1971年録音、タイム6’01A14’48B6’32C6’01)と第14番(1970年録音、同@6’01A3’10B0’47C13’07D5’29E1’51F6’25)をカップリングしたものです。まぁ、平凡ないい方かもしれませんが「渋い」の一言なのですが第12番で見ますとやはり全盛期というのか壮年期メンバーの充実したアンサンブルの「覇気」が感ぜられ第1楽章での堂々としたスタートから探り出したテーマのころがしは少し「英雄」交響曲を連想しましたし長い内省的な第2楽章での変奏でも沈着に運びつつ結構メリハリ感がありました。なお、スメタナQにとってはこの第12番演奏は三種ある録音の内の二度目の収録で残りの二度分は1961年録音分@6’09A13’57B7’21C6’11及び1981年録音@6’08A15’19B8’28C6’14であります。次に第14番ですが後期にベートーヴェンは聴覚を失った時期だけに短調柱でもあって更に内省的な作品でありかつ七楽章でそれも殆ど切れ目なく進行するチャレンジングな作品をスメタナQの演奏はその深い精神性を体現したものとなっております。ただこの曲も後年1976〜1985年に収録完成された全集の中の同曲(1984年録音、タイム@7’13A3’17B0’52C14’01D6’12E1’33F6’38)と比べますと重量感溢れる力強さと畳み掛けていくような気迫が印象に特に残りました。第1楽章、深遠なフーガ方式は精神的にも「凛」とした雰囲気が漲り音楽の極みとしてのスタート楽章です、大体この曲は大まかに言えば先述の様に「短調柱」で短調、長調交互に極端にショートなジョイント機能の楽章を挿入しつつ進んで行きます。問題の第4楽章は時間をかけて熟成させたワインの如く充実したうるわしさは素晴らしく途中のチャチャいれるピチカートやチェロの呟きもチャレンジングなベートーヴェンが垣間見れます。〆付近は比較的分り易くテーマを再示しつつゆっくり終わります。少し「間」があっての第5楽章はスケルツォで分りやすいウキウキ気分で後半挿入されるピチカートなど全く意外で流石「楽聖」ベートーヴェン!その辺りの澄み渡った虚無的とも受取られる空気感付近でのスメタナQの見事な演奏が聴き処のひとつです。抒情的メロディの第6楽章は最終楽章への序奏でいよいよ最終楽章はユニゾンで力強い刻みが疾走し途中和らぐ場面も経緯してコーダへは堅固な構えを基本にテーマを散らせつつベートーヴェンらしい〆への方向性を素晴らしくスメタナQは描き切ります。こうした演奏が本録音でも例の暗譜でなされたかどうかは別にして聴く方も繰り返してこのベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も完成度が高く評価が高い作品を聴き深めたいと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)0 people agree with this review
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 21/January/2012
昨年11月に、スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番及び第16番をおさめたCDが待望のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化されて発売されたところであるが、本盤の第12番及び第14番は、その第2弾と言える存在だ。スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息のあった絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献していると言える。もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、正に音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。本盤におさめられたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番及び第14番は、前述の名盤の誉れ高い全集におさめられた弦楽四重奏曲第12番及び第14番の演奏(1981年ほか)の約10年前の演奏(1970〜1971年)だ。全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるとも言えるが、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはないと言える。しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っていると言えるところだ。したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではないとも言える。第12番及び第14番は、ベートーヴェンが最晩年に作曲した最後の弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したいと考える。音質は、1970年代初頭のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。しかしながら、今般、前述のようについにシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤が発売される運びになった。本シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤は、従来CD盤とはそもそも次元が異なる極上の高音質であり、音質の鮮明さ、音圧、音場の広さのどれをとっても一級品の仕上がりであると言える。4人の各奏者の弦楽器の音色が見事に分離して聴こえるのは殆ど驚異的ですらある。いずれにしても、スメタナ弦楽四重奏団による素晴らしい名演を、このような極上の高音質SACD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。3 people agree with this review
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