Elgar Enigma Variations, Vaughan-Williams Green Sleeves, English Folk Songs Suite : Boult / London Symphony Orchestra (Hybrid)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 26/May/2012
英国の詩情ここに極めれりと言った表現が見事にあてはまる素晴らしい名SACDと言えるのではないだろうか。ボールトは、ホルストの組曲「惑星」を初演するなど、英国の指揮者の重鎮とも言うべき存在であったが、そのレパートリーは意外にも幅広く、例えばブラームスの交響曲全集など、ドイツ系の音楽にも少なからず名演奏の数々を遺しているところだ。もっとも、そうは言ってもそのレパートリーの中核をなしていたのは、エルガーやヴォーン・ウィリアムズをはじめとする英国音楽であったことは言うまでもない。本盤には、そうした英国の大作曲家であるエルガーとヴォーン・ウィリアムズの管弦楽曲の代表作がおさめられているが、英国音楽を自家薬篭中のものとしていたボールトによる演奏でもあり、演奏が悪かろうはずがない。本レビューの冒頭にも記したが、正に英国の詩情に満ち溢れた珠玉の名演揃いであると言っても過言ではあるまい。ボールトのこれらの各楽曲に対するアプローチは、何か特別に奇を衒った解釈を施しているわけではない。むしろ、曲想を精緻に丁寧に描き出して行くという正攻法のものであると言えるが、一聴すると淡々と流れていく各旋律の端々からは、いかにも英国の独特の自然を彷彿とさせるようなエレガントで詩情豊かな情感が滲み出しており、これぞまさしく英国音楽の粋と言えるだろう。とりわけエルガーのエニグマ演奏曲の各変奏曲を巧みに描き分けつつも、エレガントさをいささかも失うことがない風格の豊かな音楽は、大指揮者ボールトだけに可能な至高の表現であると言えるところであり、同曲の演奏の理想像の具現化と言ってもいいのではないだろうか。ロンドン交響楽団も、ボールトの確かな統率の下、最高のパフォーマンスを発揮していると高く評価したいと考える。音質については、本盤におさめられた楽曲のうち、エニグマ変奏曲については、かの超名演として名高いホルストの組曲「惑星」とのカプリングにより数年前にリマスタリングが施されたところであり、比較的満足できる音質であったと言える。したがって、私としても、エニグマ変奏曲については、当該リマスタリングCD盤を愛聴してきたところだ。しかしながら、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって大変驚いた。リマスタリングCD盤とはそもそも次元が異なる見違えるような、1970年のスタジオ録音とは信じがたいような鮮明な音質に生まれ変わった言える。鮮明さ、音場の拡がり、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。いずれにしても、ボールト&ロンドン交響楽団による英国音楽の粋とも言うべき至高の超名演をSACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。3 people agree with this review
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