Complete Piano Sonatas, etc : A.Schiff (9CD)
Showing 1 - 9 of 9 items
-
うーつん | 東京都 | 不明 | 09/April/2020
特別なことをしているわけではないし、特別にすごい演奏ということでもない。もちろんこれは悪い意味ではないです。ごく普通にシューベルトを弾いているだけ。それがどれほど素晴らしいことなのかは、シューベルトを好きな方ならご理解いただけるのではないでしょうか。自然な語り口の中からシューベルトの人生が淡々と滲み出てきます。 ピアニストとして名を残す以上、他にない際立った演奏で芸術の高みを目指すものでしょう。そこに「個性」が生まれるのも道理ですが、シフはそこから距離を置いて我が道を行く。そんな彼の代表作が自然体な、このシューベルトではないでしょうか。 もっと彫りの深い演奏もあるし、もっと劇的に表現する演奏もあります。それはそれで好きですが、普段着のような自然体なシューベルトを全曲通して聴けるのはシフの全集くらいではないでしょうか。あるがままに音符をピアノにのせて歌う、これを体験したい方におすすめです。2 people agree with this review
-
みすまる | 所在地 | 不明 | 06/November/2013
比較的短期間内の録音ながらCD(録音エンジニア)によって収録音量に差があります。音が薄い、と断定する前に思い切ってボリュームを上げてあげて下さい。ベーゼンドルファーのぬくもりはしっかり刻印されています。5 people agree with this review
-
横濱の風 | 神奈川県 | 不明 | 28/April/2013
シューベルトのピアノ曲を聴きたいときの定番として人気のあるセットが、廉価版ボックスになったことは素直に嬉しい。シフの演奏は端正で、シューベルトの美しい旋律に合っている・・・と言いたいところだが、実は自分はちょっと好きになれない。シフの演奏は弱々しくて、シューベルトの詩人的な旋律に埋もれてしまっている、とするとファンからはお叱りを受けるかもしれない。このあたりは、好みの問題。いずれにしても、ピアニストの個性がしっかり出ていることは評価すべきだし、このセットが名盤としてランクされることには何の問題もないと思う。3 people agree with this review
-
saitaman | 埼玉県 | 不明 | 27/January/2013
これは素晴らしい全集だ。シューベルトのソナタは、ソナタという形式に捕らわれ過ぎた演奏ではけして愉しめない。まるで歌曲のように旋律を歌わせ、しかし、崩れない。知と情のバランスが絶妙。録音も良い。6 people agree with this review
-
eroicka | 不明 | 不明 | 01/April/2012
10年近く前に買ったBox setの半分ぐらいの値段でなんだか悔しいが、シューベルトのピアノソナタ全集では最良のものの一つであるだけに未聴の方には是非入手を勧める。実演でもシフのシューベルトは何度か聴いているが、スケールは大きくなくとも、響きの繊細さと慎ましやかな語り口、死の影をことさら強調しない解釈は、往年のケンプを現代風にしたような味わいがある。もちろん、晩年の作品では、死の影を色濃く打ち出したリヒテルや内田光子、アラウらの方が印象に残りやすいし、音色やテクニックの冴えならポリーニやカツァリスの方に目がいく。そうした聴き比べのベースにすべきなのが、このシフの全集(またはケンプ、ブレンデル)の最大の存在意義だろう。そういえば、シューベルトが演目にあったシフのリサイタルを選んだために、同日開催のプライの最後の来日公演を聞き逃したこともあったな。5 people agree with this review
-
マンナビスケット | 青森県 | 不明 | 16/March/2008
ケンプに似ているとのご指摘があります。その通りだと思います。 ケンプより、タッチは繊細に感じます。歌心もあるし、音楽の流れは絶妙。 形式感もしっかりあり、すばらしい演奏だと思います。8 people agree with this review
-
カメトミー | 茨城県 守谷市 | 不明 | 05/October/2007
とてもまろやかで暖かいシューベルトである。そして、歌に溢れている。その点では、ケンプと似ているが、ケンプと比べ味わいはやや薄いように感じる。 しかし、これはこれで立派なシューベルトと思う。 個人的には、ここにブレンデルのような「ある種の思慮深さ」のようなものがもう一つ加わって欲しい気がするが・・・。 でも、秋の夜長に切々と聴くには、なかなかの演奏である。シフを見直した。5 people agree with this review
-
マーコロリン | 埼玉県 | 不明 | 07/January/2006
なーるほど!!「丁寧に響きを紡いだ絶妙な間のとり方」というのがの演奏なんだ!これを簡潔に言い尽くしたひのき饅頭さんのレヴューにも「最高!」をあげちゃおう! いつもきつい評価(失礼!鋭い評価)のひのき饅頭さんが誉めてるとは・・・ 私シフのシューベルトは大好きなのですよ。2 people agree with this review
-
ひのき饅頭 | 愛媛県 | 不明 | 09/November/2005
形式というものは面白い。シフの演奏は今流行のテンションの高い劇場型のシューベルト演奏とは異なる。音の立ち上がりがゆっくりで、丁寧に響きを紡いでおり、何気ない間の取り方が抜群にうまい。響き優位の演奏だが、形式が歌をサポートしており、シューベルト+シフ+形式の絶妙なコラボを聴いているようだ。見事。シフの方法論は即興曲集よりソナタに向いている。「形」というものは凄い。シフも相当な策略家かな?ちなみにシューベルトの歌を知りたい人は、スタイルは古いがリリー・クラウスの即興曲集を薦める。歌の本質が聴ける。7 people agree with this review
Showing 1 - 9 of 9 items