(Carpenter)Symphony No, 10, : Zinman / Zurich Tonhalle Orchestra
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kurokage | 千葉県 | 不明 | 25/July/2011
クック版による第10交響曲を、「補筆完成されたマーラー作品」と思ったことは一度もない。楽想の断片を集めてどう曲のスケルトンを確保するかに汲々としているだけで、マーラー音楽の到達点を成す第1楽章に対し、書法の面でもオーケストレーションでも落差があり過ぎる。ベートヴェン時代に逆行したかのごときオケの扱いを聞く度、ファンが見るための別人による続編映画くらいのものなのだとつくづく思わされる。主旋律をサポートする副旋律と阻害する副旋律の同時進行や、楽想推移をわざと重ねてしまって輻輳を生み出す手法などは、混沌と秩序、不安と平安の間を揺れ動くマーラー音楽に不可欠の技術的前提であるし、オケを知り尽くした者に特有の、大編成を鳴らし切りながら無駄な音の濁りを生まないオーケストレーションについても又然り。これらのない補完に大した意味があるとはどうしても思えないのである。 カーペンター版では、主楽想展開の再現を超えて、こうしたマーラーがマーラーである所以にどう迫れるかが追求されており、編まれているコンセプトに根本的な相異がある。私にとってはこちらの方が遥かに面白いし、聴いているうちに痛々しくなってくることも少ない。とは言え、やはり問題は最終楽章であろうか。曲をシンメトリーにするためには、ここに冒頭楽章に匹敵する質量と深みのあるものを持ってこないと成り立たない。そんなことはお互いに無理と承知の上でどうトライしたのかを聞いている訳だから、ここは明確に「編者の作品」である。先行楽章の素材を散りばめつつ弦によるクライマックスに至る展開は、まあそうとでもするしかないだろうなとは思うものの、マーラーその人が書いていたらここまで平安の内に締めくくることはまずなかったであろう。心に深淵を抱え続けたマーラーへのせめてもの鎮魂であるのかも知れない。1 people agree with this review
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ヒューブーン | 静岡県 | 不明 | 21/December/2010
silverさんには、ほぼ大いに同感です。(そして僕もザンデルリング盤を愛聴しています) 僕はこと10番に関しては「絶叫しないマーラー」を聴いてみたいと思っていたので楽しみだったのですが、この演奏の腑抜けにはちょっとガッカリしました。 ジンマンのマーラーの魅力?特徴?の一つでもある「透明さ」もこのCDでは影をひそめ、ドップリ聴かせるべきところで、室内楽かと見まごう薄っぺらさが感じられる個所も少なくありません。 ただ終楽章に関してだけは、マーラーらしくはないものの、例えばペッテションの7番8番を予感させるような諦観の響きが聴こえて来て、この楽章だけは好きになれそうです。1 people agree with this review
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