Piano Trios Nos, 1, 2, : Florestan Trio
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小鳥遊 司 | 東京都三鷹市 | 不明 | 25/June/2008
シューマンのピアノ・トリオは、一番が名作とされているが、その演奏は困難を極める。第一楽章冒頭、ヴァイオリンとピアノという相反する性質の楽器が、いきなり相反する楽想を以って現れ、その間をチェロが力強く、しかも、フットワークよく繊細に歌い紡ぎ、シューマンの音楽にある絶妙なバランス――それは、アンバランスと紙一重である――を保たねばならない。一体、今までに何れだけの実力派トリオが、それに失敗して来た事か。ピアノとヴァイオリンのどちらか一方が主導権を持った演奏スタイルでは、完全に音楽が崩壊してしまう、何とも恐ろしい名作なのである。 その点、フローレスタン・トリオは、見事な模範演技を聴かせてくれる。ピアノとヴァイオリンは対等、それにチェロも俊敏に応えており申し分ない。各人が各々の楽想の性格をかっちりと描き出し、やや硬質な肌触りで、音楽を立体的ににまとめる事で、シューマンの音楽に秘められた力強さを余す所なく引き出している。 反面、その明瞭さが三番ではあだとなっており、それだけが不満として残ったが、広くお勧め出来る全集である事に変わりはない。1 people agree with this review
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