Szymanowski, Karol (1882-1937)
Sym, 3, Violin Concerto, 1, : Boulez / Vpo Davislim(T)Tetzlaff(Vn)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 17/November/2010
ブーレーズならではの素晴らしい名演だ。ヴァイオリン協奏曲第1番や交響曲第3番は、シマノフスキが、印象派の影響を色濃く受けた時代の傑作であるが、ドビュッシーやラヴェルの名演を数々成し遂げてきたブーレーズにして見れば、得意とする作品とも言えるだろう。確かに、若き日のブーレーズのように、前衛的で切れ味鋭いアプローチは影を潜め、すっかりと好々爺となり、角の取れた柔和なアプローチを示すようになりつつある近年のブーレーズではあるが、本盤では、そうした円熟に加えて、若き日の前衛的なブーレーズを彷彿とさせるような凄みをも感じさせる名演を成し遂げていると言える。特に、ヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章において、そうした傾向は顕著であり、ヴァイオリンのラツラフの卓越した技量をベースとした切れ味鋭い演奏と相まって、シマノフスキの魅力を大いに満喫することができるのが素晴らしい。交響曲第3番は、神秘的で官能的な響きが、優秀な独唱や合唱も相まって、完璧に再現されており、ウィーン・フィルも最高のパフォーマンスを示していると言える。シマノフスキを得意とする指揮者としてはラトルが掲げられ、遺された演奏はいずれも名演ではあるが、前衛性と円熟のバランスを考慮すれば、本盤におさめられた両曲に限って言えば、ブーレーズの方に軍配をあげたい。ボーナスCDのブーレーズによるインタビューも貴重な記録だ。7 people agree with this review
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ombredouble | 東京都 | 不明 | 28/September/2010
コンチェルトは来日公演でも取り上げていたが、解釈が格段にこなれている.ブーレーズらしくやたら分かり易い演奏で、スクリャービン風の和声進行、反復を含みながら弧を描くように展開する音楽の軌道を明晰に描く.テツラフの音色のコントロールも滅法巧く、一種のヴァンダラーとしてのヴァイオリン独奏の性格を明らかにしながら、オーケストラと骨太で鋭いアンサンブルを繰り広げてゆく.第3交響曲での大気感も素晴らしく、デイヴィスリムの透明でリリックなテナーがシマノフスキ特有の詩世界に寄り添う(合唱には今少しの精妙さが欲しいが).バルトークとはまた全く異なる世界.全体に、久々にヴィーン・フィルの上手さの光る録音でもある.”Boulez 2010”としてリリースされた3枚の中では、これが一番正解.インタヴューはドイツ語のが面白い(リハーサル風景は収録されていない).3 people agree with this review
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