Schoenberg, Arnold (1874-1951)
Lieder: 白井光子(Ms)H.holl(P)
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伊奈八 | 茨城県 | 不明 | 11/December/2021
シェーンベルクの歌曲を、素晴らしい演奏で楽しめるアルバムだ。 演奏は、白井光子とハルトムート・ヘルとのデュオ。シュワルツコップは2人を「世界最高の音楽家夫婦」と賞賛したという。白井は2008年(平成20年)には紫綬褒章も受賞した、日本のドイツ・リートの第一人者だった。このCDは1993年の録音で、歌唱は大変充実している。 白井の歌唱は、一曲一曲、丁寧、濃密、表情豊かで、独立した一つの世界のようだ。全20曲通して高いクォリティである。上質なリサイタルを聴くのと同じで、おなか一杯になる。 聴くほどに魅力が理解できるアルバムなので、多くの方にお勧めしたい。 なお、CDの常ではあるが、どんな音質で聴くかによって印象も変わるので、できるだけ良い音質で聴いていただきたい。 以下、各曲の紹介。 1〜3は、8曲ある親しみ易い「ブレットル・リーダー」からの選曲。 1.「ガラテーア」2.「素朴な歌」3.「ギエルゲッテ」。これらの歌の最も良い歌唱かもしれない。ガラテーアの前奏は、シェーンベルクが書いた一番華麗なピアノのパッセージだろう。 4.「太陽が出ているのだろうか」は、もの悲しく優しい表情の初期歌曲。これがシェーンベルクの曲かとびっくりする。 5〜8は「4つの歌曲op.2」。非常にロマンチック、かつ独創的だ。 9.「興奮する者たち」は、「6つの歌曲op.3」の2曲目。激しさと、悩ましいロマンチシズムにシェーンベルクらしさが出ている。 続く3曲は「8つの歌曲op.6」からの選抜。10.「夢の生活」11.「見捨てられて」12.「さすらい人」。なんともドラマチックで、かつ美しい。激しい曲でも、白井の歌唱は乱れない。「さすらい人」あたり、かなり難解度が増しているが、ハッとするほど美しい表情がある。 13.「想起」は、作詞者不詳の歌曲。こういう捨てがたい作品を選曲するのが憎い。 14.「ジェイン・グレイ」は「2つのバラードop.12」の1曲目。2曲目の「決死隊」もディースカウの名唱が忘れがたい傑作だが、ソプラノ向けの「ジェイン・グレイ」も、重厚かつ極めてドラマチックだ。白井の壮絶な歌唱がこのCDの頂点を形作る。ジェイン・グレイは策謀によって即位にさせられたが、わずか9日間で退位させられ処刑された悲劇の女王だ。 15.「私が感謝するのは許されていない」と、16.「この冬の日々に」は「2つの歌曲op.14」から。難解さは大幅に増しているが、白井の歌唱のクォリティは変わらない。むしろ「ジェイン・グレイ」からの3曲は、ハルトムート・ヘルの伴奏の方が、音楽を消化し切れていない印象がある。 最後の4曲は、ドイツ民謡の編曲だ。 シェーンベルクは、自身の作曲はどんどん難解さが増していったが、調性のある音楽への愛は不変だったようだ。 ドイツ民謡の編曲は1928年の「3つの民謡」、1929年の「4つのドイツ民謡」、最晩年1948年の「無伴奏混声合唱のための3つの民謡」op.49と3種ある。 このCDに収録されているのは「4つのドイツ民謡」だ。17.「楽しい5月がやってきた」18.「ふたりの遊び仲間がやってきて」19.「いつも忠実なわが心」20.「わが心みだれて」。 いずれも素朴な明るい歌だが、バッハ風の伴奏をつけているのがちょっと妙な感じでもある。 これも、ヘルの伴奏がそう思わせるのであろうが、重厚なリサイタルの最後に、軽めのアンコールという感じで、心地よくCDを聴き終えることができよう。0 people agree with this review
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