Bach, Johann Sebastian (1685-1750)
Goldberg Variations : Staier(Cemb)
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mimi | 兵庫県 | 不明 | 25/December/2011
2010年春に輸入盤が発売されてすぐ購入し、幾度か聴いてきました。Hassモデルのダイナミズムと美しい音色を生かした、A.Staierの演奏はある意味技術的にこれ以上無いと言える位で、その第一印象は圧巻の一言でした。ただ、反復して接するにつれ、この演奏に対する疑問も出てきます。あまりにも単純化した言い方で申し訳ないのですが、非常に「重い」のです。もちろん、現在なおGoldberg Var.の作曲・成立事情については、判らないことが多く、この曲が全曲通して演奏されることを意図されていない、とはっきり断言する研究者もいるのですから、このような重厚な演奏を全曲通してつき合うのは、鑑賞方法として正しくない可能性もあります。しかしながら一方でGoldbergの全体としての曲構造を、明確に打ち出して全曲を全く時間の経過を感じさせずに聞き通させてしまう力を持った名演も存在するのも事実です(Gouldの晩年盤がまさに代表でしょうが)。A.Staierのこの演奏が全曲通して聴くに重い印象を与える原因は、おそらく各曲が非常に鮮やかに輝かしく演奏されていても、実はその細部における細かなフレーズ・多声処理が意外と雑に通り過ぎていくからではないでしょうか。Goldbergという曲は、ヨーロッパ音楽数百年の歴史がいっぱいに詰まって、その細部は掘り起こせば掘り起こすほど、何層にも歴史的・音楽的意義が現れてくる傑作と思うのですが(これは使用楽器云々とは別問題で、モダンピアノでももそうした時間的・空間的意味を感じさせる演奏は存在します)、A.Staierの細部から全体の意味を問うよりも、表層の演奏効果が重視された演奏では、そうした一瞬一瞬に遥かな想いをはせる余地がなく、結果として長く重々しい印象になってしまのではないでしょうか。演奏技術的な面では最高でしょうし、佳演ですが、Goldberg var.という西洋音楽史上に類を見ない傑作の価値を十分に明らかにするレベルには至っていないように思います。6 people agree with this review
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