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Schubert (1797-1828)

CD Die Schone Mullerin, Winterreise, Schwanengesang : Prey, Hokanson, Sawallisch, G.Moore (3CD)

Die Schone Mullerin, Winterreise, Schwanengesang : Prey, Hokanson, Sawallisch, G.Moore (3CD)

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    カラヤン英雄  |  岩手県  |  不明  |  28/June/2009

    ヘルマン・プライが、’70年代に録音したシューベルト3大歌曲集をCD3枚にまとめたBOXセットであるが、ヘルマン・プライの全盛時の録音だけに、歌唱はどの歌曲集を採っても、’80年代にDENONに録音したものよりも歌唱は良く、ディジタル・リマスタリングにより音質も向上しているので、いささかも遜色はない。これらの歌曲集の中で最も出来の良いのが、「白鳥の歌」でジェラルド・ムーアの伴奏のもとに、さまざまな声域の歌手のために作曲された歌曲(レルシュタープ,ハイネ,ザイドル)を見事に歌い分けている。抒情性,情感,感傷的,威圧的,劇的、楽天的等々要求される表現を見事に織り込んでいる。次に出来が良いのが、「冬の旅」だが、声がハイ・バリトンにしては重くて力強すぎるため、恋に破れた若者の心境を上手に表わすことが出来ている曲と、そうでない曲との違いがはっきり出てしまっている。現在、ドイツ歌曲を歌うテノールの多くが「冬の旅」を、リサイタルであれ、レコーディングであれ、採りあげて原調(本々、テノールのための連作歌曲集である)で歌っているのを聴く機会がどんどん増えているので、今ではいかにしてシューベルトが「冬の旅」において、若者の姿を表現しようとしていたのかといったところに関心が移ってきている。かつては、ハンス・ホッターのようなバス・バリトンやバスの声によって、老人が若かりし頃の自分の姿を回想しながら、独白するような歌唱スタイルがもてはやされていたが、今は歌唱スタイルの転換期にあたり、徐々にその姿を消しつつある。最後は、「美しき水車小屋の娘」であるが、この連作歌曲集も原調はテノールであり、バリトンで歌うためには移調して音域を下げる必要がある。プライは、高音域が苦しくならないよう必要とされる音域を思いっきり下げて、明るい声色で若者を表現しようとしている意図が見て取れる。しかし、この発声では高音域は作り声のようになっており、この歌曲集全体をなぞるようにしか表現出来ていない。やはり、ハイ・バリトンのD・F=ディースカウでも「冬の旅」に比べ、「美しき水車小屋の娘」は得意とはしていないみたいで、ナイーブな男性像を表現できずにたくましく感じられる男性像を描き出してしまっている。「美しき水車小屋の娘」をバリトンで表現するのは難しく、やはり、テノールでないと‘美しき水車小屋の娘’に恋し、破局、そして自殺してしまう男性は表現できないと再認識した次第である。

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