冬の派閥
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カニさん | 兵庫県 | 不明 | 07/July/2021
傑作です。城山三郎さんが、一番書きたかった作品だろう。歴史小説としては、いま一つだが、言いたかったことがすごくよくわかる。私てきには、この作品の批評するには、不適当な人物だろう。何故ならば、私の祖父は、本家の人間であり本家は、尾張藩士(一介の郷士)だが、この作品のクライマックスの「青葉事件」の当事者として目の前で見てきたのが本家の人々である。祖父は、明治生まれで、本家の口伝として、「青葉事件」を私の代まで伝わっている。そういう意味で、私は、この作品を、読まずにはいられなかった。そして、この作品を通じて、最近、話題になった「憲法第4条」の問題も、考えさせてくれる。また、ここのところ、よく問題になる「忖度」もなぜ問題なのかも、よく分かる。「忖度」とは、結局、「虎の威を借りる狐」式に下の者が、「自分の欲望」を実現させようとする手段以外の何物でもない。実に、卑怯な話である。そして、上も下も、それに振り回される人間もいい迷惑である。そして、城山文学の「リーダー資質の問題」や「派閥の問題」そして、そこに生きる「個人」と「群衆」の問題と、まさに傑作です。城山三郎の文学では、異色作にされがちだが、内容のボリュームに対して、作品の量(ページ数)が問題なのだろう。一つ一つを十分に書きつくそうとするとすると、この2倍の量でも足りないだろう。0 people agree with this review
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