Legendary Performances of Tebaldi (14CD)
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メルモ | 千葉県 | 不明 | 06/July/2011
全体的な情報から。レーベルはAllegro Musicという会社の1グループ(?)であるBravissimo Opera Library。製造元は中国。ブックレットは英文のライナーノートと各演目の情報、後はトラックの一覧だけ。ライナーにはファンなら知っている事ばかりで特に目新しいことは書いておらず、写真も少ないうえにめずらしいものはありません。14枚のCDは表が透明なビニール、裏が不織布でできた個別の袋に入っているだけ。価格を考えたら仕方がないでしょう。各演目の情報の内容はところどころ間違っていると思われます。(Carlamaria Casanova著のテバルディの伝記巻末の出演データとの照合結果。)では個別の演目について。 1.『ジョヴァンナ・ダルコ』ブックレットには1951年3月26日収録となっていますが、5月26日の間違いと思われます。テバルディ29歳の若々しい声が楽しめます。力強い高音が何度も繰り出される圧巻の歌。2歳年下のベルゴンツィも負けじと熱唱しています。伝記によると録音場所はRAI Studioですので、放送音源でしょうから、もっといい音で残っているとよかったのですが。手持ちのMelodramの盤は高音域のノイズがひどいですが、これは多少それが取り除かれています。珍しい演目だけにリブレットがないと困りますが、イタリア語のリブレットのみなら、ネットで検索すればヒットします。 2.『椿姫』実はテバルディの『椿姫』を全曲聴くのは初めてでした。アジリタが下手なのは十分承知なので、正直聞く気になれず。が、「花から花へ」を聞いてみて、お世辞にも上手とは言えなくても、大きな破たんはないことがわかって、身構えてしまった分かえって拍子抜け。その他の部分は限りなく豊麗かつ美しく歌われていて、カラスの歌やもっとレッジェーロな歌手の歌に慣れている耳にはちょっと違和感すら…(肺結核にしては健康的すぎる)でもある種の驚きではありました。なにしろ、この演目に100回以上出演した人です。するからには集客を期待されていたわけで、こういう解釈も当時は十分通用したのかなと。演技者としては決してうまい人ではなかったと思いますし、一幕の高笑いと二幕のむせび泣きには引きましたが、三幕のTeneste la promessa…Addio del passatoの部分はむしろ感動的でした。共演者はハズレです。これも録音場所はRAI Studioなので放送音源でしょう。音質は許容範囲です。 3.『トスカ』このライブは、カラスとの確執に疲れてテバルディがメトに去ってから、久々にスカラ座に戻ってきたときのものですから確かに「レジェンダリー」。最初の2演目からはだいぶ年月がたった分、彼女の声は重くなっていますし、高音がフラットし始めています。ですが「歌に生き、恋に生き」はまず、万全。拍手喝さいで「ブラーヴァー」の掛け声がとびます。ガヴァッツェーニが鳴りやまぬ拍手を断ち切って音楽再開。ステファノはできとしては普通かなと思いますが沢山拍手をもらっています。ゴッビは巧みに声で稀代の悪党を演出。かつてGDSから出た同じ音源の録音を持っていますが、音は多少まし?という程度。聞き取れないほどひどくはありません。 4.『ワリー』ブックレットのデータは1960年10月20日となっていますが、伝記では10月29日となっています。有名なデッカの正規のスタジオ録音は1968年。もう彼女の声は衰えているので不満でした。この録音はRAIのスタジオ収録で多分放送音源。多少ノイズはありますが、この種の録音としては驚くほどいい音です。テバルディの声はデッカのときより当然美しく、リリコ・スピントのお手本のような立派な歌です。最大の問題はプランデッリのハーゲンバッハ。貧弱な声で、全然「らしく」ありません。IDISの1953年のスカラ座ライブは指揮ジュリーニ、ハーゲンバッハがデル・モナコ、ヴァルターが何とレナータ・スコットという布陣の上、会場の興奮が生々しく伝わってくるのですが、音質が悪過ぎて折角2人の女性陣が美声なのに細かいニュアンスが全く聞きとれません。結局、テバルディだけを聴くなら、ここに収録された盤が最良かもしれません。なお、スタジオ録音にもかかわらず、各幕のあとに拍手が入りますが、明らかにどこかの音源からとってきた拍手を追加したもの。こういう小細工をされると却って感興を殺がれるので、やめてほしかったです。 5.『西部の娘』これもRAIのスタジオ録音。拍手はありません。デッカの正規のスタジオ録音がありますから、「もうひとつのスタジオ録音」のようなものです。音質は『ワリー』ほどよくはなく、すこしもやがかかったように聞こえますが、それでも悪いとは言えません。沢山高音を出す過酷なオペラだけに何度か高音がフラットしますが、全体にテバルディの歌はやはりリリコ・スピントの王道をいく、堂々たる歌。この曲は本当のライブとなると、彼女は1970年にメトで歌っているだけであり、その頃にはもうこれだけの美声は保てていません。指揮や共演者等に問題を感じても、正規のスタジオ版との比較を楽しめる興味深い盤です。 6.『フェドーラ』テバルディが正規のスタジオ録音を残していない上、この前年にシカゴのリリック・オペラと、この年、このナポリで歌っただけである演目だけに貴重な盤。RAIのスタジオ録音のものと比べると音質は劣りますが、聞きづらいというほどではなく、この種の録音では音がいい方です。ロシアの大貴族という役柄にぴったりの、威厳たっぷりのゆるぎない歌。舞台姿に圧倒されてでしょう、彼女が登場しただけで拍手がわいた箇所が2回。(このときの舞台姿はStefano Papi著のRenata Tebaldiという本に載っていますが、確かにロシアの貴族のマダム然としています。なお、この本は伝記と言うより写真集にちょっと伝記的記述が添えられたもの。)彼女は、演技うんぬんといった難しいことを言うイタリア北部のスカラ座より、ストレートに声の美感を愛する南部のナポリのサン・カルロでのほうが受けたのじゃないか、と思わせます。ステファノは例のAmor ti vietaを甘い歌い回しで歌っています。バジーレの指揮は残念で、有名な間奏曲も流麗さに欠けると思いました。 7.『メフィストーフェレ』ブックレットに1966年1月25日収録とあるのに、RAI Orchestra & Chorus, Milanとなっていますが、伝記によるとこの日の収録はニューヨークのカーネギーホール。RAIのオケとコーラスというのはありえません。テバルディ最後の『メフィストーフェレ』。彼女はマルゲリータとエレーナの両方を歌っていますが、もう声が衰えています。フォルティッシモやフォルテは聴きとれますが、どんな声量、音域でも声が通り、ゆるぎなく歌えていたかつての姿はなく、声量を下げると聞き取りにくくなってしまっています。高音は金属的になっているのを隠しようがなく、低音は唸ることも。メフィストーフェレのギャウロフ、ファウストのベルゴンツィが素晴らしい歌唱を聴かせているだけに残念です。1963年に1年近く休業してから帰ってきたテバルディはもうかつての彼女ではありません。それがライブではどんな状態だったかを知ることができるという意味では興味深いドキュメントです。ライブですが音質は良好です。 最後に総括させて頂きますが、これらの録音はOpera d’OroやIDISから単売で今の時点ではなんとか入手可能です。(ただ、単売でそろえていると当然、高くつきます。)1998年6月のGrammophone誌にPatrick O’Connor氏が、「大きく、豪華なテバルディの声はレコードではとらえ得ない(注:つまりスタジオ録音では彼女の声の全貌はわからないというのでしょう)」「新しい世代の人々にテバルディが再評価されるには、デッカは、EMIがカラスにしたと同じ事をテバルディにすべきである(注:重要なライブ録音や、『ジョバンナ・ダルコ』のようにスタジオ録音のないものは、もとの音源を買い上げて正規ルートで販売すべきだということでしょう)」と書いておられるようです。(テバルディのファン・サイト、”Tribute to Renata Tebaldi”からの情報)すでに1998年に記事が出ているのにデッカが何もしないのはそれほど売上を見込めず採算が取れないと考えての事なのでしょうが…残念なことです。このセットは問題な点がないわけではありませんが、とにかく、コストパフォーマンスがよく、一度に色々な演目がそろうのがうれしいです。単売でこれだけ揃えていないならば、テバルディファンなら持っていて損はないと思います。3 people agree with this review
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