Bruckner: Symphony No.3 `wagner`
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 07/April/2011
ベームは、いわゆるブルックナー指揮者とは言い難いのではないだろうか。ドレスデン・シュターツカペレとともに第4及び第5、ウィーン・フィルとともに第3、第4、第7及び第8をスタジオ録音しており、これ以外にも若干のライブ録音が存在しているが、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスの各交響曲全集を録音した指揮者としては、必ずしも数多いとは言えないのではないかと考えられる。しかしながら、遺された録音はいずれも決して凡演の類ではなく、特に、ウィーン・フィルと録音した第3及び第4は、他の指揮者による名演と比較しても、今なお上位にランキングされる素晴らしい名演と高く評価したい。ところで、この第3(1970年)と第4(1973年)についてであるが、よりベームらしさがあらわれているのは、第3と言えるのではないだろうか。ベームの演奏の特色は、堅固な造型、隙間風の吹かないオーケストラの分厚い響き、峻厳たるリズム感などが掲げられると思うが、1970年代初頭までは、こうしたベームの特色が存分に発揮された名演が数多く繰り広げられていた。しかしながら、1970年代後半になると、リズムが硬直化し、テンポが遅くなるのに併せて造型も肥大化することになっていった。したがって、スケールは非常に大きくはなったものの、凝縮度が薄くなり、それこそ歯応えのない干物のような演奏が多くなったことは否めない事実である(ドレスデン・シュターツカペレを指揮したシューベルトのザ・グレイトのような例外もあり)。第4は、そうした硬直化にはまだまだ陥っているとは言えないものの、どちらかと言えば、ウィーン・フィルによる美演を極力活かした演奏と言うことができるところであり、名演ではあるが、ベームらしさが発揮された演奏とは言い難い面があるのではないだろうか。これに対して、本盤の第3は、徹頭徹尾ベームらしさが発揮された演奏ということが可能だ。堅固な造型、隙間風の吹かないオーケストラの分厚い響きは相変わらずであり、峻厳たるリズムで着実に進行していく音楽は、素晴らしいの一言。全体のスケールはさほど大きいとは言えないが、ヴァント&ケルン放送交響楽団盤(1981年)よりははるかに雄渾と言えるところであり、これだけの凝縮化された密度の濃い音楽は他にもあまり例はみられない。金管楽器がいささか強すぎるきらいもないわけではないが、全体の演奏の評価に瑕疵を与えるほどのものではないと考える。ブルックナーの第3の他の名演としては、1990年代に入って、朝比奈&大阪フィル盤(1993年)が登場するが、それまでは本演奏はダントツの名演という存在であった。朝比奈盤に次ぐのが、ヴァント&北ドイツ放送交響楽団盤(1992年)であると考えるが、本演奏は、現在でもこれら両名演に次ぐ名演の地位をいささかも譲っていないと考える。SHM−CD化によって、従来CDよりも音場が広がるとともに、音質も若干ではあるが鮮明さを増している点も評価したい。3 people agree with this review
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