ushio  |  東京都  |  不明  |  18/October/2010

バーンスタイン症候群の患者には厳しい演奏だ。「マーラーの苦悩がない」と彼らは叫ぶ。・・・当盤は中庸の美演。金子某ら一部評論家から貶されているチェコフィルが、いかに素晴らしいオケかもわかる。生演奏でも彼らの音楽性の高さは、VPOに匹敵する。マーツァルはノイマンと同じく、ヘンなことはしない指揮者だ。ひょっとしたら、晩年のノイマン（神々しかった）を超えるかもしれないと期待している。当ディスクは録音も良く、演奏も良い。バーンスタインの超絶的ライブと比べると物足りない部分もあるが、この大曲を美しくまとめたマーツァルの手腕は高く評価されよう。「マラ９」を敬遠していた人には、特にオススメ！・・・ところで、「マーラーの苦悩」とは何でしょう？貴方は「楽譜から」それを読み取ったことはあるのですか？

 

ERINA  |  不明  |  不明  |  13/May/2010

この暖かくも美しい音の洪水に身を委ねて、何の不満があろうか。 殊更に死生感や寂寥感、深刻になりたいならワルター／ＶＰＯを筆頭に、他にいくらでもディスクがある。 たっぷりとしたテンポで朗々と歌い抜かれたチェコフィルのベルベットのような感触のする音色を、鳥肌が立つような名録音で愉しめて何の文句があろうか。オーディオ的にも音楽的にも超一流、まさにレコード芸術そのもののディスク。

 

なかじぃ  |  大阪府  |  不明  |  29/November/2009

辛口評価の方々の意見に大方同意。 この曲に何を求めるのかだと考えます。 自分はドロドロしたものではなく「癒やし」や「魂の浄化」のようなものをこの演奏から感じました。 巷で評価の高い、バーンスタインやテンシュテットなどとは明らかに性格の異なる演奏なので、こういったスタイルが好みの人には期待外れかもしれませんが、自分にとっていつも通しで聴けるマラ９は貴重です。 なおオーディオ的には文句のつけようのない録音でした。

 

masashing  |  大阪府  |  不明  |  14/May/2008

abbadian氏はなにかとクレームの多いお方だが、それでも私と同様、飽きずにマーラーを買い続けておられることに改めて敬服いたします。名古屋の村井翔氏は的確な論評で尊敬いたしております。徳力氏、カバポチ氏も熱心な「信者」であることがうれしく、私もこの論戦に参加し、反論を読むのが楽しみです。最後にこの９番にひとことだけ・・・うっとりです。チェコフィルを非難するのだけは間違いですよ。

 

雅虫  |  福岡  |  不明  |  13/April/2008

冒頭の開始前、スピーカーからホールの空気が吹き出してきた。これは滅多に在る事ではない。左右奥行の再現では、最高の録音である。個々の楽器の音色も、本当に美しい。この９番のＣＤだけでも十数枚所有しているが、録音だけでなく演奏も自体も、望郷の念と哀愁漂うワルター＆コロンビアの次の座を脅かす演奏である。”ビエラ先生”＆チェコフィルなかなかやりますね。

 

usax  |  千葉県  |  不明  |  15/March/2008

確かに今まで聴いてきた情感が弦の響きからほとばしるような９番とは違う。さりとて、感動のない演奏ではない。押し付けがましくなく、聴く人の様々な感情移入をもって聴ける演奏だ。それにしても、ジャケットのマーツァルの写真がいただけない・・・「ロッキー」じゃないんだから（笑）。

 

アイリスＣＬ  |  豊島  |  不明  |  09/March/2008

目立ちたいなら、この演奏の問題点を指摘することは構造主義的戦略として間違えてない。しかし、誉めることと欠点を指摘すること、日常でもそうだが、後者のほうが実は難しい。あるレベルを超える演奏を問題にする場合、論拠が薄いと、それは自らの価値を落すだけで、回りから苦笑されるだけだ。皆のレビューを読んでみよう。肯定的な意見が多い。これが印象・感想とかシュプレキばかりだと、例え点が高くてもトホホなケースで信用できないが、特有の視点を感じさせる意見が主流を占める場合、その演奏の出来は素晴らしいケースが多い。

 

ブラヴォー  |  神奈川県  |  不明  |  09/March/2008

ボヘミア的哀愁を帯びたマーラーだ。恐ろしいほど切ない冒頭から見事だ。驚異的に枯れきったクレッシェンドも実にすばらしい。渾身の力をふりしぼったクレッシェンドも息をのむばかりで，ここでマーツァルは，音楽を大きくデフォルメさせながら，しかも透徹した結晶化を実現している。しかも表現が全く人間の心しか感じさせないのだ。特にすばらしいのは終楽章で，これはまさに精妙の極みだ。有機的な音と雄大な響きを生かし抜いた名演である。

 

★林檎  |  埼玉県  |  不明  |  22/February/2008

リズムの刻みが特徴的。引きずるようなリズムで、素朴なボヘミアの自然をゆったりと歌い上げる。録音のよく、名盤です。

 

ヤマト  |  新潟市  |  不明  |  06/February/2008

このCDには最大級の賛辞を贈りたい。感情に溺れることなく純音楽的に演奏された第九のアダージョでこれ程までの演奏は聴いた事が無かった。 言語を絶する美しさは、もはやこの世のものとは言えず、あの世のもののようだ。 SACDで聴くチェコフィルの演奏は実に美しい。このCDは演奏と録音が高次元で昇華しており、何度でも聴きたくなるようなマーラーだ。聴き終えた後、鬱的な気分を残すのではなく、幸福感に包まれるようだ。

 

「のだめ」大好きだよ  |  東京都だよ  |  不明  |  05/February/2008

この指揮者さんはどこかで見たことがあると思ったら「のだめ」の千秋とジャンの先生！？役者さんもやられるとは相当な度量の持ち主ですね。興味沸いたので聞いてみたのですが、これが素晴らしい演奏でびっくりしました。「のだめ」で使用されていたサントラも相当に熱の入った良いものでしたし、その後いくつかクラシックも聞いてみたけど「のだめ」での演奏のほうが明らかにいいと思えるものもありましたが、この演奏は本当に凄いです。格が違います。（さすがは先生（笑））「のだめ」ファンにも是非お薦めしたいです。

 

村井　翔　  |  名古屋  |  不明  |  02/February/2008

前の7番ではもともと不自然な音楽を自然に聴かせようという工夫が仇になって、インパクト不足だったが、9番は逆に構え過ぎない、その自然さがいい。第3楽章あたりは、もっとどぎつい表現も欲しいが、両端楽章では細かなテンポの伸縮、ポリフォニックな諸声部への目配りなど、このコンビならではの美質が随所に聞かれる。楽譜の指示に反して、終楽章第二主題部でむしろテンポを速めるのはバーンスタイン譲りか。(もちろん、そう演奏されているからだが）スコアの隅々まで鮮明にチェコ・フィルの美音を捉えた録音も最高。

 

madrigal  |  千葉県  |  不明  |  01/February/2008

第1楽章からオケの美しさと充実した響きに酔ってしまい一度聴き出すと止められなくなってしまう。心理的葛藤を表に出した演奏ではないが、どこまでも歌に溢れ、幸福感すら与えてくれるマーラーの9番は初めてである。弦楽器音色はコクがあり豊潤、ホルンのボヘミアンサウンドも聴いていて愉しい限り。録音も素晴らしく、まさに至福の時を約束してくれる一枚だ。

 

UUU  |  ishikawa  |  不明  |  31/January/2008

２枚重ねには私も閉口していますが（メーカーも考えて欲しい）、これほどの演奏なら手放すことにはならないと思うので、２枚入るケースに入れ替えてます。ＨＭＶでもケースだけ注文できます。演奏はブーレーズらの冷たい知的なモノでは比較にならないと思うけど（そもそも傾向ちがうし）、エモーショナルで美しいマーラーと比較されることは賛同します。それにしてももっと良い演奏を持ってこないと、録音を含めて比較の対象にすらならないと思う。マーツァルのマーラーとしても３番と並ぶ大傑作だと思う。

 

hohoho  |  愛知県  |  不明  |  29/January/2008

弦、木管、ホルンの音がなんと豊かに深く、みずみずしくひびくことだろう。切迫感や荒々しさも瞬発的に携えながら、幸福感や色彩もとても豊かにあふれんばかりに響く。アバド/ＢＰＯやブーレーズ/ＣＳＯも素晴らしいところはたくさんあると聞いていてが、それらの名演も９番の深い深い豊かさを味わうにはこの盤の前に色を失う。録音も含めて、総合力は極めて極めて高いのが当盤である（マーツァル/チェコフィルでは、７番が９．９点だとしたら、当盤は１０点である。ただし、７と９の２枚重ねケースだけは、たいへんいただけない）。