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SEIKYO KIM

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ベートーヴェンの交響曲 講談社新書

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  • ★★☆☆☆ 

    Erdinger  |  神奈川県  |  不明  |  23/July/2014

     金聖響と玉木正之の対談に惹かれて読み始めたが、65〜66頁で引っかかった。曰く、「ピリオド奏法ではヴィブラートはほとんど使いません・・・・」、「ヴィブラートというのは、すごく新しい演奏法で、フリッツ・クライスラーという大ヴァイオリニストが1910年くらいから大流行させたもの・・・・」、「オーケストラの弦楽器奏者全員がヴィブラートをかけるようになったのは(中略)1930年頃からあとのこと・・・・」等々。  この説は、著者も私淑しているらしいイギリスの指揮者N.R.が、自身のCDのライナーノートで書いていた内容そのままである。この説については、本書が出版される前に既に疑問が呈されているが(平林直哉著『盤鬼、クラシック100盤勝負!』(2006)の135〜136頁)、それを待つまでもなく、20世紀初頭〜1920年代に録音された幾多の弦楽器奏者やオーケストラのSPレコード、及び、その復刻盤を聴けば、事実に合わないことはすぐ判明する。  また、大ヴァイオリニスト、カール・フレッシュ(1873〜1944)の自伝には、少年時代(1880年代!)、良き師に出会えず、仕込まれてしまったヴィブラートの悪癖の矯正に苦労し、多大な時間を要した旨が記されている。(佐々木庸一著『ヴァイオリンの魅力と謎』より)  加えて、レーオポルト・モーツァルト著「ヴァイオリン奏法」(1756年初版)の第11章にはこう記されている。「私たちが、ゆるい弦や鐘を強く打つと、その後、打った音の一定の波動が聞こえます。・・・・ヴァイオリンでこの自然の震えのまねをして、再現するように努力して下さい。指は強く弦を押し、手全体を小さく動かします。その動きは・・・・前は駒の方へ、後ろは渦巻きの方へと前後に動くようにします・・・・」 これは「トレモロ」という奏法の説明だが、明らかにヴィブラートのことであり、18世紀には「トレモロ」と呼ばれていたこともわかる。(但し、レーオポルトは「トレモロ」の乱用は厳に戒めている。これは現代奏法にも当てはまる。何でもかんでもヴィブラートをかければ良いというものではない。)  一二の例を挙げただけだが、著者(とN.R.)の説が??なのははっきりするであろう。  ピリオド奏法なるものが今や大流行で、これを手がけなければ時代遅れのレッテルを貼られかねない風潮だが、奏者も聴き手も、演奏法の歴史をもう少しきちんと踏まえてみた方が良いのではないか。研究者でなくても、著作を世に問おうというのなら、根拠の怪しげな説を引き写すのは軽率のそしりを免れまい。  本書は評判の良い本だが、私自身は65〜66頁で引っかかったきり、後を読む気が失せてしまった。

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  • ★★★★☆ 

    MAYU  |  沖縄県  |  不明  |  05/January/2010

    こういう見解もあるんだなと勉強になりました。

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